じつは義姉でした!?
バニショコ
じつは義姉でした
「涼太、起きてよ」
「ん、あぁ……」
俺は晶に起こされてベッドから体を起こす。
「おはよう、あき、ら……?」
徐々に視界がクリーンになり、晶を見るとなぜかちょっと大人っぽくなっていた。身長も伸びて胸も心なしか大きくなっているような……
「僕のこと晶って呼び捨てにするんだ。姉貴じゃなくて?」
あねき……姉貴!?ちょっと待て!晶ってたしか義妹だったよな!?
でも晶の姿は俺の知っている晶じゃない。それに雰囲気からして年下とも思えない。
もしかすると本当に晶は姉なのかもしれない。
「寝ぼけてないで早く降りてきてよね。ご飯ももうできてるから」
そう言って晶は一階に降りて行った。
いつもの晶だったら俺のベッドにもぐりこんでくるのに。
違和感を感じながらも身支度をして下に降りる。
「涼太くんおはよう」
「今日はいつもより遅かったじゃないか」
美由貴さんと親父におはようと返しながらいつもの椅子に座る。
食卓にはすでに朝食が並べられている。
「それじゃあいただこうか」
親父の一声で朝食を食べ始める。
親父も美由貴さんも変わったところはない。
となると晶が義妹だったのは俺の思い過ごしだったのか。
「涼太?考え事でもしてる?」
晶、いや姉貴が俺の顔を覗き込んでくる。
晶の顔が俺の顔の目の前に近づく。
「っ!な、なんでもない!」
俺は気恥ずかしくなり顔を背ける。
「ふーん。変なの」
姉貴はもういいのか食事に戻る。
そのことに俺はホッと胸をなでおろす。
さっきのは心臓に悪すぎる。
姉貴は顔が整っていて正直綺麗でかわいい。しかも年上だからか色気が漂っている。
顔を近づけられるとドキドキしてしまう。
「ごめんね晶。多分恥ずかしがっているだけだと思うから」
「気にしてないよ。僕もちゃんとわかってるから」
何が恥ずかしがってるだ。何がちゃんとわかってるだ。そんな会話を本人の目の前でするなよ。恥ずかしすぎて死にそう。
そしてそんな光景を美由貴はニコニコと嬉しそうに見ている。二人の会話を止める気はないらしい。
それにここで俺が止めようとしても事態が悪化するかもしれない。
ここはがんばって耐えるしかないか。
朝食を食べ終えると親父と美由貴さんは仕事があると急いで家を出ていった。
そして俺は皿洗いをしている。四人分の皿を洗うのにも慣れてきた。
普段は美由貴さんがやっているが時間がないときは暇な人がやることが多い。
俺もたまにだが手伝いをしている。
「涼太~、もうそろそろ行かないと遅刻するよ」
「わかった!すぐ行く!」
俺は洗い物を終えて鞄を持ってくる。
玄関ではすでに姉貴が準備万端の状態で待機していた。
「おまたせ」
「大丈夫だよ。それじゃあ行こうか」
俺は姉貴と一緒に家を出た。
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