シャンパンに虹色の花束を添えて
江戸崎えご
はじめに
私自身に本当にあった事、と言うと色々あるが、これを語らずして私と言う存在が知れないと言う事を思うがままに書き連ねて行こうと思う。なお、ここに出てくる人物は勿論実在していて、私の小説に『実名を伏せて書いていい』と許諾して下さった方々になる。
親愛なる友人たちにも多大なる感謝を。
私と言う存在を知ったからと言ってどうなる事でもないと思うし、今世間で賑やかに取りざたされているあれこれなど知った事ではないが、当事者がこんなにもいると言う事を知るのは悪くない事だと思っている。
ここに書く人々以外にも知人や友人だった人々、あるいは友人の友人、友人の恋人、すれ違った人々など、私の人生に影響を及ぼした関係者は枚挙にいとまないが、その人たちは残念ながら私の小説に足跡を残すのをどう思うのか悩ましい。その人々は端々に話題に出てくる程度に留めておく事にして、取り留めなく綴ろう。
私はセクシャルマイノリティだ。
昨今話題のLGBTと言う奴である。
どんなセクシャリティかと言うと、「ノンバイナリー」「パンセクシャル」「ノンセクシャル」の三つが混合している。
はじめにこの単語の解説をしておくが、御存じである方々は読み飛ばしてくれて構わない。ただ、ノンセクシャルとアセクシャルは混同されがちなので試しに読んでみるのも良いかもしれない。
ノンバイナリー。これは某有名人なども公言しているが、性別が無性、あるいは両性だったり、その日の気分で女性と男性を行ったり来たりするセクシャリティだ。
パンセクシャル。これは恋愛対象としてみる相手の性別が関係ない、となる。これだけだと「バイセクシャルとどう違うの?」と思われるかもしれないが、パンセクシャルの場合FtMやMtF、その他あらゆる性別の人が恋愛対象となる。
ノンセクシャル。これはアセクシャルとよく混合されるのだが、性的な接触を必要としないセクシャリティになる。因みにアセクシャルは恋愛を必要としないセクシャリティだ。
FtM、MtFについても解説しておこう。FtMは女性の体を持っていながらも性自認は男性の人、MtFは男性の体を持っていて性自認は女性の人だ。こんがらがる人はわかりやすくMale(男性)、Female(女性)と考えてくれれば良い。
ここから先は私の体験談を話すとしよう。
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