第25話 和解!え?絶対無理!?

今回どうしても短くなってしまいました………ユルシテ


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ゲーム内:祝福の子主人公視点


全く……大事な用事があって来ているというのに、こうも囲まれるとまともに動けないな……


ん?この子だけ、視線が違う……憧憬と尊敬一色な他の視線じゃなくてどこか毛色が違うそんな感情が混じっている……


「お兄ちゃん……?」


あぁ!カラザーが探していた……サウロン?だっけな

それにしてもこんな感情を剥き出しにしているカラザーは初めて見たな。


「ねぇ、サウロンお兄ちゃんでしょ?」


にしても必死だな。そりゃそうか、ずっと捜してたみたいだしな


でも相手はキョトンとして……いや、表情が変わったな


「やあ、久しぶ―――」


「お前、呪いの子だろ」


呪いの子?話に聞く様な悪逆非道な奴には見えないんだけど


「貴様ァ!よもや、スケアクロウを!姉達を!殺した事を忘れたとは云うまいな!」


ここまで激昂してるアイリスは初めてみたぞ。

それにここまで口汚く人を罵って相手が無関係の人だったら問題だぞ!?


「お兄ちゃんは……そんなことする人じゃない!」


だよなぁ……そうは見えないしな


「なぁ、人違いじゃないか?俺はそんなことしてないぞ」


「こんな子が?」


「天使様、間違いじゃないんですか?」


「そのような惨いことをするようには見えないが……」


勝手なことしやがって……聖伐隊のイメージに深刻な問題を与えるぞ?


「おい!ウェルナーが死んでいるぞ!」


ウェルナーといえば……あの火力持ちを支援していた彼か!


「おい、さっきの小僧……ウェルナーの家の方から来ていなかったか?」


「やっぱりあいつが……」


「ねぇ、嘘だよね……?お兄ちゃん……!」


まじ?たまたまな気がしなくとも無いんだが……


神罰執行ジャッジメント・アクティベーション……」


ちょっと!不味いって!それはもう「間違いでしたすいません」じゃ通じないぞ!


「はぁ……呪いの子サウロンが命ずる、《拘束しろバインド》」


「「「ッ!」」」


本当に呪いの子だった!?


そしてこれは魔法か?

対象は……「固定」の概念!?


簡素に見えて対策が難しい……いや、僕は共存を目指しているんだ。そんな事を考えるべきじゃ無い


「体が……動かない!?」


「貴様ァ!何をした!」


「俺はさぁ……襲ってきた奴を撃退しただけなんだ……なあ、祝福の子主人公、このまま俺を放って置いてくれないか?静かに暮らさせてくれないか?」


やはり……彼も被害者なのか?


「お兄ちゃん……」


「耳を貸すなぁ!ビルボ!!」


わからない。多分彼はウェルナーさんを殺した。

でも、悪人には思えない……だからこそ、聞かなければならない!


「君も……被害者なのかい?」


「僕はやっぱり君がそんな事をするような人には見えない」


「この世界の歪みの、被害者のように思えるんだ」


…………


「そうだったのか……やっぱり、君は……!」


思ったとおりだ!この世界は、何かの意思によって曲げられている!


「そういえば……魔力を見せてくれないか?他はなんとなく想像できるけど、呪力だけ想像がつかないし」


「あぁ、いいけど……」


これは……駄目だ!無理だ!今!魔力を見たことで!本能で解った!コレと共存することは出来ない!絶対に!


……殺さなくちゃ、いけないんだ



主人公視点


何だ?いきなり敵意全開になったぞ?


やっぱりこの魔力、SAN値でも削るのか?


「殺してやる……殺してやるぞぉ!」


天使の子も、もっとやばくなってるし……


うーん……うぉっ!


「呪いの子!殺してやるぅ!」


うげっ!周りの野次馬が暴徒化してる……!


めんどくさいなぁ……


「呪いのサウロンが命ずる、《固定しろフィックス》」


「おっと、動くなよ?尤も……足を固定したから、動けないか」


「貴様ァ!なんの!この程度、力技で……!」


「固定してるのは足の一部だけだ。そんなに力を込めると……」


バキィッッ!


「うぐあァァァァァッッ!」


「ほら、こんな風に……ね?」


「くぅッ!」


「油断してると……《解放リリース》」


「うおっ!」


「《固定しろフィックス》」


「間抜けな格好だね……」


えぇと……ナイフナイフ……


あった!


「さ、これを落とすとぉ……」


「やめろォォォ!」


サクッ


「はい。これを後数十回!簡単だね!」


「……僕が、間違っていた………」


ん?


「お前は、罪を犯していないんじゃ無い。罪を罪だと思っていないんだな?」


そりゃそうよ。正当防衛正当防衛。俺悪くないよぉ〜?



「神に乞う!奇跡の再演を!《神は動物達に、文明の火を授けたファイア》」


やばそうだなァ!あれ!


「呪いのサウロンが命ずる、《動くなストップ》!」


よし!今のうちに……いや、ここで逃げ帰るのは駄目だ!


じゃあ、絶対に当たらないところに行って……


「さぁ、俺の魔法を解除したら、お前の魔法が街を焼き尽くすんだが……まぁ、お前がやってきたことだ。仕方ないよなぁ?」


「やめ……てくれぇ」


「やぁだ♪」


「オラ!神の炎に焼かれて死ね!」


「《解放リリース》」


「じゃあね。希望の光、祝福の子」


「俺を殺す。その日まで、折れてくれるなよ?」


じゃないと、ゲームとして成り立たない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る