〝文明の星〟理論 まとめ(改訂版)
平 一
1 文明の要素(エレメント)が分かれば、社会が分かる!
https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16817330654336110139
人類は文明により、繁栄を得ました。
文明とは〝高度に知的な生命活動の様式〟です。
知的な生命活動の様式とは、
脳神経系のような情報処理器官により
物事の因果法則を発見・利用して、
より良く生きられる生活様式です。
それは要するに〝頭を使う生き方〟といえます。
細菌などは主に、餌があれば増え、
餌がなくなれば死滅するだけです。
でも人間は、種を植えれば実が取れると気づき、
分担や報酬を決めて大勢で動けば、
より争いなく、多くのことができると考えます。
(知的生命活動様式は遺伝的な本能ではなく、
経験や他者からの学習による活動様式であり、
こうした生活様式を〝文化〟とも言います。
ただし文化には芸術など〝知的生活様式のうち、
生存に必須ではないが有益かつ必然的なもの〟
という意味もあるので注意が必要です。)
文明の特徴としては農耕技術、都市建設、
国家制度、社会的分業や文化活動があげられます。
その順序としては、農耕や建設などの技術で、
人々の生活が文化も含めて豊かで複雑になると、
人口や仕事が増えて都市を築けるようになる一方、
利害調整のための制度や政策が必要となります。
それが上手くいけば、さらなる技術開発や
行政・文化活動も含めた社会的分業が進み、
文明全体が発展していくということでしょう。
知的な生命活動は〝知る・決める・する〟の三段階、
すなわち事実認識・意思決定・現実行動からなります。
それらを文明社会の活動にあてはめてみると、
科学・技術、制度・政策、経済・社会活動となります。
(以後、技術、政策、社会活動と略すことがあります。)
文明活動の本体は、経済・社会活動です。
全ての人々が営む経済・社会活動は、
生活に必要なもの(富や財、資源ともいう)を
得て、分けることで、営まれます。
科学・技術は〝あんな時はああいうことが起きる〟
〝こうすればこうできる〟というように、
〝深く因果法則を知る〟ことで富の生産に役立ち、
経済・社会活動を豊かにします。
制度・政策は〝今はああすべきだ〟
〝こういう時はこうすべきだ〟というように、
〝大勢で動けるよう決める〟ことで富の配分に役立ち、
経済・社会活動を健全に保ちます。
しかし技術は、施設や製品などの物的資源に
具現化されないと、社会活動を豊かにできません。
政策は、健康や教育を得た人的資源により
実現されないと、社会活動を健全に保てません。
また、現代の技術開発は多くの資金などを要するので、
その発展には政策の支援が必須ですが、
政策が新技術導入を助ける時には、
資源や市場など自然・社会環境が大きく影響します。
ある物事を考える時は、それらをいくつかの要素に分けて、
お互いの因果関係を知る必要があります。
要素の区別や関係を知る時は、
『象は最大の陸上動物である』といったように、
〝一番近い分類の中で他の要素とどう違うのか
(最近類における種差)〟を示す、定義を作ると便利です。
因果関係には複数原因・複数結果や相互作用・循環関係、
偶発要因、さらには『風が吹けば桶屋が儲かる』といった
因果の
主な関係を整理すれば、物事を考えやすくなります。
技術、政策、社会活動とは、
文明活動における認識、決定、行動であり、
環境、物資、人材はそれぞれの必要条件である、
といった定義を設定するかたちで
文明の
文明社会について、より良く考えることができます。
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