箕輪の黄斑 長野業正

@Radkaw66

第1話 上州より

この時期の上州は赤城山からの風が強くなる。

風に吹かれながら馬を駆けるのは上泉伊勢守。


「感慨深いな……。この時期でもここの民は皆、お館様のために必死なのだ…。」


伊勢守は業正が行う民衆政治に深く感化していた。

それは箕輪の民も同じである。

業正は民に対して年貢をニ公八民としている。

また災害が起こったときの対処も素早くまた、民衆思いであった。


(民衆中心の政治それこそが今の日本に重要なのだ。)


「上泉様!すぐに城へ!」

「なにか?」

「信玄が…。」

「!」


業正及び箕輪は最近、甲斐の将·武田信玄の脅威にさらされていた。


伊勢守は駆ける。


箕輪城へ。



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