140字小説「夢中にさせて」

秋錆 融雪

夢中にさせて

僕は華やぐ地獄の天辺てっぺんで笑っている

ほら見て、眼下の摩天楼が爆ぜるのを

僕が賑やかにした向こう岸で

また君と会えるだろうか

知ってるかな?自ら命を絶った人間は

善悪問わず地獄に堕ちるって


僕は最期まで、君に夢中だ


彼はボタンを押した

最も高く、最も天国に近い

自らの足場ビルを崩す最後のボタンを

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140字小説「夢中にさせて」 秋錆 融雪 @Qrulogy_who_ring

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