短編「感謝ノ発育」(完)

不可世

一話完結

生きては問う

その日々の改心

ただ生きるとはいかず

難所や隔たりはある

それはあなただけではない

私さえ何かを抱えている


日々に溶け込んだ

そうした異彩は

華やかであり、冷淡でもある

だがしかし

比較級があるからこそ

人はありがたみに気づき

そして、大切さを知る


常にそうだと

思えれば

きっとあなたは一人だけにはならない

皆が皆何かを思い抱え耐えている

だからその軋轢が

時として自身に降りかかり


あいつは嫌いだと

そう、関係まで害してしまう

だが縁まで切ってしまってはいけない


どんなに嫌なことがあっても

されても

極端に避けなくていい

なぜって

それはあなたがそうされたら

きっと嫌であろう


こんないい文句がある

人にされて嫌なことは自分もしない

その言葉通りに

生きていけるなら


あなたはきっと寛大だ

優しくて、でも強くて

人の弱さに、寄り添える

そんなあなたはやはり偉大だ


もうこのご時世

年を取るだけで何かが身につく

だから生きるたびに問うといい


身に着けた作法

やり遂げた責任

そして


ありがとうと言われる

そんな在り方


あなただって一度はありがとうと言われている

一度なんてものじゃないかもしえない

だから、あの時のありがとうを忘れずに


今日も、ありがとう、を目指そう


じゃ、


ありがとう、読んでくれて。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

短編「感謝ノ発育」(完) 不可世 @BEST-R-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ