革命の鐘が鳴る
@samunovel334
第1話革命家、異世界へ
1968年チェコスロバキア、プラハ。レジス・O・ドルノスは後に「プラハの春」と呼ばれる民主化運動に参加していた。彼は生まれてからずっと誰かに支配されることを嫌った。だからこそ一人の命令によって何人もの命が容易く奪われるこの世界を変えたかった。彼はプラハの人間ではなかった。しかし、彼は苦しむ民の顔を見て共に戦うことを決意しこの場にいた。彼らが民主化を訴えていることをソ連を中心としたワルシャワ条約機構が黙って見ているわけがなかった。ワルシャワ条約機構はソ連を中心とした連合軍を結成、チェコスロバキアに侵攻を開始した。レジスは銃を取り、必死に戦った。しかし多勢に無勢、民主運動はワルシャワ条約機構軍により鎮静化され、彼は殺された。彼の最期に見た光景は生き地獄であった。銃弾と叫び声が飛び交い、軍人はゴミを見るような目で民主化運動の参加者を銃撃していた。彼は段々目の前が真っ暗になっているのを感じ、死を悟った。そして彼はゆっくりと目を閉じた。このプラハの地にレジスは散った、はずだった。
彼は無音の洞窟の中で目を覚ました。レジスは洞窟を見渡しながら「ここが死後の世界か」と呟き、出口を探した。西に光が差していた。その光を目指しレジスは歩いた。その光の先は彼の目を疑うような光景が広がっていた。目の前には彼が見たことのない美しい世界が広がっていた。すると下から音が聞こえてきた。次の瞬間、レジスの目に映った光景は彼の怒りを呼び起こした。質素な身なりの男たちが車を引いていた。そして疲れ果て倒れた男に向かい、恐らく見張りと思われる男が「何をしている。とっとと立て」と叫び、鞭で倒れた男を叩いた。レジスが怒りに満ちた目で見張りに一瞥を飛ばすと、それに見張りの男は気付き、「何を見ている。そんなところにおらず、お前も運べ」と吐き捨てるように言った。「断る」レジスは怒りを押し殺し答えた。「なんだと、ならお前も鞭打ちだ」と見張りは叫び、鞭を振り下ろした。その鞭をレジスは避け、見張りの男のみぞおちに怒りのままに一発拳を叩き込んだ。見張りは吹き飛ばされ、崖の底へと落ちていった。レジスは元々腕っぷしに自信があり、祖国の格闘技大会でも優勝する実力者であった。しかもこの世界に来てからレジスは体が軽く、力に満ち溢れているのを感じ取っていた。見張りを殴り飛ばした後、レジスはこの世界について考えていた。彼の仮説はこうだ。「恐らくこの世界には暴虐な指導者がいて、その指導者は民を苦しめている。まるで俺が見てきた世界と同じように」このような世界なら彼の考えることは一つだ。「革命を起こし、この世界の民を救う」こうしてレジスの異世界の民を救う戦いは幕を開けた。
革命の鐘が鳴る @samunovel334
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