第43話 会議の内容
五人とも驚いている。
そして
ア「やばいじゃないですか」
ガ「なんで今となって勇者が」
ハ「ゆ、ゆ、勇者が」
リ「非常にまずいですねえ〜」
ラル「ひいいい、なんでまた」
五人ともアワアワしてる。
ラド「まあまあ五人とも落ち着け」
ガ「こんな緊急事態で落ち着けるわけないじゃないですか」
ラド「でもアワアワしていてもしょうがないでしょ」
ガ「それはそうですけど」
ラド「そもそも勇者がよくわからんから緊急招集したけど、別に魔王国が崩壊とかじゃなくて僕の命がどうこうとかでしょ?今思うとあんたら関係ない気が」
ラル「いやいや、魔王様はまだ世継ぎとかもされてませんしそもそも魔王様が亡くなられることはとても悲しいことですし」
ラド「別に死なねえよ。なんとかしてみせるさ」
リ「えっと魔王様。歴代の魔王は全員勇者が出てきたら亡くなっているんですよ〜」
ラド「それって何年前だ?」
リ「いつでしたかな〜」
あんた知らないのか。
ア「えっと確か最後は3000年前だったはずです」
リ「あーそうです。そうです」
ラド「へー最後3000年前だったのか」
あれ?さっきラルってまたとか言ってなかったか。
てことは年齢が…。
僕はこれ以上は考えないことにした。
ラル「魔王様?どうされました?」
やっべ無意識にラルの方を見てたわ。
ラド「あーいやごめんなんでもない、まあともかく3000年前の話だぞ。それが本当かどうかなんてわからないじゃないか」
ハ「で、でも死んだのは事実です。な、な、なので何かしら対策を」
いつも冷静なハルトルが一番取り乱している。
ラド「お前が取り乱しているのも面白いがとりあえず落ち着きなって」
ハ「むしろなんでラドさんはそんなに落ち着いていられるのですか」
ラド「だって別に歴代の魔王が死んでいてもそれって確定死ってわけではないじゃん。だったら落ち着いてなんとかするために動くのが一番賢明だからな」
オ「流石魔王様!いつでも常に最善の手を冷静に考えるその姿、素晴らしいです」
オムライスが褒めた。
サ「まあ、みなさん。魔王様のことですから案外なんとかなりますよ」
ア「サンドラさんとオムライスさんのいつも通りさはすごいわね」
サンドラに関しては先に言ったからな。
ただアムよく見てみろ。
サンドラの手をよく見たら少し小刻みに震えているぞ。
ガ「まあサンドラの言う通り魔王様は最終的になんとかするからなあ。それに早いうちに手を打つべきなのはその通りか」
ラル「いやあこれを言うのもあれですけど、今のラド様である意味よかったですね。前魔王様はすぐに死にそうですよ」
なかなかひどいことを言うラル。
ラド「そうだな。あいつには手に負えんだろう。あっそうだ。くれぐれも今回の会議に関しては内密にだぞ。特に前魔王にはな」
全員「わかりました」
全員とりあえず落ち着いていてよかった。
特にハルトルが多少落ち着けられていて、よかった。
ラド「では勇者対策会議を始めよう」
そして会議を始めた。
会議を始めようとしたけど、僕は思っていたことがあった。
ラド「でだ、招集しといてなんだがこれって僕自身の問題だからお前ら関係ないなと思ってきたぞ」
ラル「そんなことはありませんよ」
ハ「ラルの言う通りです。勇者といえば、いえ、転移者と言えば特殊スキルというものがあり、不思議な力を使い戦闘してきますから油断大敵です」
特殊スキル!
いいなー、僕も欲しかった。
ガ「特に勇者はとんでも力を持っているんだとかだったな」
サ「それが一般的にですね」
ガ「それだったら早いうちにそいつを叩くのが一番じゃないか?」
ア「それがそうはいかないんですよ」
ガ「何か問題あるのか?」
ア「たしか転移者って言うのは全員保護状態っていうのがありまして最初の一ヶ月は結界というのがつきまして最初の一ヶ月はあらゆる魔力に関する攻撃を無効化しますので」
ガ「まじか…」
ア「ただ今来たところで魔力の扱い方も知らないであろう人たちに負けることはないと思うので多少の猶予がありますね」
リ「なのでこの一ヶ月は準備期間ですかね〜」
ハ「この一ヶ月で何をするか、ですね」
オ「おそらく保護状態にくるでしょうからな。最高一ヶ月と考えた方が良さげでしょうな」
ラル「負けがないから多分来ますよね」
オ「そゆこと」
んー。
ちょっと気になることがあった。
ラド「なあアム。保護状態の効果ってなんだっけ?」
ア「転移されてから最初の一ヶ月はあらゆる魔力に関する攻撃を無効化、ですが」
ラド「ありがとう」
そうかあ。
今の説明的に多分なんとかなるとは思うけど。
ハ「どうやって殺しましょうかね」
ア「無理に殺さずに魔王様の言った話し合い解決のほうが安全な気がしますが」
オ「あの国の現状と周りの国からの評価などを話せば行けるかもしれませんな。幸いなことにこのシャルロッテ王国は人間たちもそこそこいますしね」
ガ「今回ばかりは話し合いが一番か」
ア「え?」
ガスがそう言うとアムは驚きを口に出していた。
ガ「なんだよ」
ア「いえ、あのガスがまさか話し合いのほうが良いとか言うなんて」
ガ「てめえ、俺を戦闘狂かなんかと思ったのか。流石に魔王様の命が関わっているんだから慎重に考えるに決まってるわ!」
ア「まじですか?」
ガ「まじです」
僕はクスッと笑っていた。
そんなわけで六人は勇者を迎えるための色々な準備をしながら仕事をするといって会議は終わった。
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