第26話 組織の主

まだ施設の中には割と敵がいる。

声が聞こえる。

兵1「侵入者は二人だ」

兵2「狙いはおそらく古の力だ。じゃないとここを襲う理由にはならないはずだ」

目的がバレてないのか。

つまり管理室に入れてない。

失敗したのか。

奥から剣の弾き合う音がする。

すると聞き覚えのある声が聞こえてきた。

アルズノワク「はっ」

ハド「やっ」

ア「急げ!」

ハ「急いでるけど、さっ!人がどんどん来るんだもん」

ア「なんとかしろ」

ハ「じゃあなんとかしてよー」

そう言いながら戦う二人。

まったく、全然進んでいないじゃないか。

まあなんとかなるだろうし、先に管理室に向かうか。

はやく実験体のかきを探さないとね〜。

どうせなら演出を入れてみるか。

「楽しいなあ」




ハ「ここが管理室ですね」

ア「うーむ、ここまでバレずに来るのってなかなかキツくないか?」

ハ「そうだよね〜」

ア「しょうがないってことで」

アルズノワクは扉を開けた。

ア「まあそりゃいますよね」

扉を開けると兵が一人立っていた。

ハ「ここはすぐに!」

ハドはすぐに剣を兵士に向かって突いた。

兵士?「その判断は正解だ」

兵士は二本指でハドの剣を抑えた。

ハ「なっ」

ア「あーと」

ハド「なんですか、この人...アルズノワク、助けて」

ア「その男の顔を見ろ」

ハドは兵士の男の顔を見る。

ハ「あっ」

シ「まったく、なぜ声で気づかなかったんだ」

ハ「すいません...って何してるんですか!」

シ「暇...この格好のほうが潜入ぽいでしょ」

ハ「暇だったんですね!そうですか。じゃあ助けにきてくださいよ」

シ「まあまあ落ち着け。とりあえず鍵も確保できたし、少し話し合おうじゃないか」

ハ「何を言ってるんですか。はやく助けにいってここを出ないと」

ア「とりあえず話を聞きなさい」

ハドはそう言われると素直に聞いた。

僕はハドに向かって言った。

シ「いいか、今からハドは新たに設立する...名前は決めてないがその主、頂点に君臨するものになる」

ア「いきなり何を」

シ「実はな、アルズノワクと話し合ったんだ。ここに新たに来るあの子たちをどうするか。おそらく元の生活には戻れないだろう。だから他の道を探すのだが、何もしないのは助けたのにすぐに死んでしまう可能性もあるからそれは良くない」

ア「だからうちに入れることにする。しかし今は三人だからてきとうでいいとして、ここから百人ほどが来るんだ。だからそういったところはしっかり決めておかなくてはいけないと思ってな」

ハ「じゃあシュテルがすればいいんじゃ」

シ「私だと堅すぎて組織としてつまらないし、今から入れるやつらは向上心があるやつとかではないのだ。楽しくなければすぐに死ぬかもしれないしな。アルズノワクも同様だ。だからハド、君が‘おさ’になるのだ」

それに魔王だけでも嫌なのにこっちの世界でも長おさとか嫌すぎるし。

シュテルクストとして自由に暗躍できなさそうだし。

ハ「え?え?ちょっと待ってなんでもっと早く言ってくれないの」

ア「早く言ったところでお前さんの心境が変わるわけじゃないんだし、それだったら直前に言ったほうがいいかなと」

ハ「たしかにそうかもだけど...」

シ「心配するな。側にはアルズノワクも付いている」

ハ「シュテルは?」

シ「私は側には居れない...だが近くにはいるさ」

ハ「シュテルはシュテルで他にやることがあるのね」

いや違うけど、まいっか

ハ「わかったわ。正直わかりたくないけどなんとかするわ」

シ「それでこそハドだ。さあでは実験体を迎えにいくぞ」

ア、ハ「「はい」」

僕らは実験体がいるところにむかった。

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