第7話 花嫁行列
花嫁行列が家の裏道を通った。行列はお菓子や お金をばらまきながら 賑やかに過ぎていく。僕は花嫁さんも花婿さんも全く知らない人だったが、縁起物ということで お菓子もお金も喜んでみんなと一緒に拾って回った。
何十年も昔の話で今となっては花嫁行列 なんて誰も行わない。
結婚を祝う気持ちは変わらないのだが、お金や お菓子をばらまいて子供達が拾っていくなんていう行事は今はどこに残っているんだろう。そんな いにしえの習慣が残ってる地域もあるのかもしれないが 僕の知っているあたりでは全くない。ただ 2〜30年前に僕は一度だけではあったが そんな昔のお祭りのような花嫁行列を見たというのはいい思い出だ。昔はよく行われていた行事がこの辺りでもかなり減ってきている。理由は色々あるんだろうがいろんな人が ここから他の場所へ移ってしまった。人がいなくなれば そこで行われていた行事もお祭りもなくなっていくのも仕方のないことで、ただ一度 廃れてしまった祭りや行事はもう元に戻ることはないんだろう。時間の流れが産む 一つの変化なのだから こちらとしては黙って受け入れていくより仕方がないと思う。ただ子供の頃に賑やかに行われた一つの行事がまたなくなってしまったのは 少々寂しいような気がする。
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