100万回死んだ猫、今度は異世界に転生する
べにたまご
序
我輩は猫である。
名前は……多すぎて少し困ってる。
何でかと言えば、我輩が転生を繰り返しているからだ。
人は『猫には9つの魂がある』という。
だが我輩の場合、9つどころじゃない。
その数、なんと100万回!
いや、そんな数、数えられないだろうと思うだろう?
我輩も実際数えたことなどなかった。
だがどうも、女神が言うには、我輩は100万回も生まれ変わっているらしい。
この生まれ変わりというのが、またデタラメで……。
どうも未来や過去を行ったり来たり、はたまた同時代で生まれ直したりするのだ。
ある時は、43世紀にバーチャル宇宙猫。
その次は平家屋敷の家猫。
また次は時代も場所も分からない野良猫。
自分で生んだ仔猫に転生した時は、さすがに度肝を抜かれた。
自分を生んだ親猫になったこともあったか……。
ちなみに雄雌の法則性もバラバラだ。
ぶっちゃけ今はもうどっちでもいい。
その時々の生を全うすればそれでよし。
幸いにして、生きることに飽きはなし。
今生も好きに生きようと思う。
それに今回はどうやら、いつもの転生とは毛色が違うようだ。
いや、違うのは毛色ではなく、世界が、だったかな?
女神が言うには、我輩は異世界に転生したらしい。
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