最強『召喚術師』少女は勇者と魔王をペットにする!! 〜この少女は何者だよ!勇者と魔王を従えて…まるでこの世界の支配者だな〜

@simassima

第1話 日常生活、勇者と魔王を添えて

「アクティーフちゃん!私、勇者スー・あーマン様のお嫁さんになるのが夢なの!」

いつもの様に、家が隣のエリちゃんと、地面に絵を描いて遊んでいる2人


(勇者スーと結婚したいのか…私なら協力してあげられるかも!)


「協力するよ!ちょっと待ってて!」

「え?」


この、勇者と結婚させてあげる協力をなぜか『出来る』と思っている少女こそがこの物語の主人公『アクティーフ』である。


家の裏までトテトテと走って行って、茂みの近くでぶつぶつと呟き始めたアクティーフ。

すると地面に魔法陣が浮かび上がり人影が地面から迫り上がる。そう、彼女は召喚術師なのだ!


◆◇


「で、俺を召喚したと」

「うん、エリと結婚してあげて?」

「いやいや、ひとつ言うよ?俺勇者よ?そう簡単に結婚できるわけないのよ。てか何この状況!どうやって召喚したんだよ」

当然の反応である。ドラゴンとの戦闘中にみんなを庇って1人で戦い、パーティーを逃がしていた最中、ドラゴンブレスが放たれ、流石に死ぬと思われたその瞬間、見知らぬ村に飛ばされ、1人の少女に召喚されたと言うのだ。それは誰も信じないだろう。


勇者スーが自分にツッコミを入れる

「いや、我ながら走馬灯がしょうもないなぁ…もうちょっとあっただろ、仲間との友情のシーンとかさー。なんで少女に召喚される走馬灯を見てんだよ…」

「いや、だからここは現実!エリと結婚して!」

無理難題を押し付けるアクティーフを見て勇者は混乱しながらも状況を整理する。


「いや、100歩譲ってここが現実だとするよ?だとしたら俺、死にかけてたから召喚してくれて助かったかもしれない。それに関してはお礼を言うわ」

「じゃあ私と契約して、召喚獣になって」

「………へ?普通人間を召喚獣にすることってできなくないか?」

「広く見れば人間だって魔物の一種だよ」

「そうなのか?」


初めて聞く考え方に少し深く考えてみる勇者スー。


「私のペットになりたまえ『フェアトラーク』」


「え、ちょ、まっ、」


いきなり言い放たれたその言葉と同時に勇者スーの手に契約の印が浮かび上がった。


「なぁ、1つ質問いいか?」

アクティーフは頷く。

「俺、もしかして使い魔になったのか?」

「そうだよ」

勇者スーは無言で頭を抱える。暫くして勇者スーが顔を上げて提案をしてきた。


「じゃあ君が魔王を倒せたらそのエリちゃんだっけ?その人と結婚してあげるわ」


アクティーフは、その言葉を聞いて、(よし!頑張るぞ!)と意気込んだ。

「よし!」


「いや、『よし!』じゃないのよ。魔王を倒せるわけがないでしょうが」

勇者スーの事を無視して再びぶつぶつと呟き始めた。すると再び新しい魔法陣が出てきて、大きな2つのツノが生えた男が召喚された。


「私のペットになりたまえ『フェアトラーク』」


「な!?なんだこの魔力量は!?私ほどの人物を召喚しておいて一瞬で召喚契約まで済ませるとは!?」


鼻声の、魔王と思わしき男までもが少女によって召喚獣にされた。召喚獣はご主人様に逆らえない。つまり魔王の命はもはやアクティーフが握っている様なもの。


アクティーフはこう言った。

「勇者に『ごめんなさい』しないと殺す」


「ひっ。ごめんなさい!魔王城龍鬼(じょうりゅうき)はもう悪いことはしません!」


「ほら、これでいいでしょ!エリと結婚して!」

冷静に結婚を急かすアクティーフに絶句する勇者スー。


「やべっ、こう言う時ってマジで声出ねーんだな」


アクティーフは勇者と魔王をエリの所まで連れて行った。


「エリー!勇者スー・あーマンを連れてきたよー!」

「ぎゃーー!!怖いおじさんが2人ー!!」

「おい!魔王はともかく俺は怖いおじさんじゃないだろ!って言うか君が俺と結婚したいってやつじゃねえのか?」


勇者スーのキレッキレのツッコミが刺さり、エリが目を見開く。

「貴方が!?勇者スー様ーー!」

「そっちは魔王だ!よく魔王に抱きつけるな」

「え?なんか…魔王の方がイケメン…」

「おい!」


いや、普通に勇者スーもイケメンなのだが、エリは魔王の方が好みだった様だ。

「私やっぱり魔王と結婚するー」

アクティーフは、

「えぇ…頑張って勇者召喚したのに…」

と思った。


まあエリが喜んでくれたのだし良かったのだろう。

「あのぉ、一応魔王が召喚獣契約して危険がなくなったって国王様に伝えたいんだけど」

「行ってらっしゃい」

「でも召喚した張本人もいた方がいいかと思われるので一緒に来ていただけませんかね」


勇者が少女に対して敬語を使うあり得ない状況の中アクティーフは考え込む。

「ママに聞いてみるね」

「ありがとう」

いまだにエリは魔王に抱きついている。魔王としては何もできない。何かしたらアクティーフに殺されてしまうかもしれないのだから…。


今度は勇者と一緒にトテトテと洗濯をしているママのところへ向かう。

「ママー!勇者スーが王都に行こうだって」

「あら、そう。……えぇええええええええ!?勇者がぁあああああ!?」

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