友人グループ結成
長谷川の提案に乗り買い物についていくことになってしまった俺達。
とりあえずは二人で選ばせて欲しいと言われたので店の外のベンチで優と共に座りながら二人が服を選ぶ様子を見守っている。
女子の買い物は長いから大変だと何回も優から聞かされていて少し身構えていたけど予想より大変じゃなかった。
なんなら美少女たちがあれじゃないこれじゃないと悩みながらも楽しそうにキャッキャウフフしてるのを見てるのは中々眼福だった。
「どうだい達也。飽きてきたかい?」
「いや、そうでもないぞ。彼女達が楽しそうにしてるのを見てるだけでも割と楽しめる」
「やっぱり、優しいやつの言うことは俺みたいなチャラ男とは違うな〜」
「なんだお前。飽きてきたのか?」
「割と見慣れてるしね〜」
うっ!
それじゃあまるで俺が恋愛経験無いから付き添いだとしても女子がいるだけで楽しくなってしまうほど舞い上がっているみたいじゃないか!
優と話をしたり榎本達を見ていたりして時間を潰しているとどうやら大体は買いたい服を絞れたようで二人共こちらに歩いてきた。
「二人共おまたせー!約束通り着て欲しい服を着てあげようじゃないか〜」
「待ってました〜長谷川さん最高ー!」
みるみる優が上機嫌になっていくのが分かって幼馴染として少し恥ずかしかった。
長谷川さんに連れられ優もどこかに行ってしまいまたしても榎本と二人きりになった。
とりあえずここは俺の考えうる最大限の誠意を見せなければ……
「さっきまで店を歩き回ってた訳だし疲れたでしょ?ベンチにでも座って二人を待とうか」
すると榎本は少し目を見開いて何か考え込む姿勢を見せる。
あれ……?俺なんかまずいこと言った?
「……いいですよ」
「え?」
「小泉さんが着て欲しい服、一着だけなら着てあげてもいいですよ」
俺が榎本に着て欲しい服を……着てもいい……だと!?
榎本が!?
「本当にいいのか?」
「そう言っています」
落ち着け俺、これは試験だ……
いかに榎本の趣味から逸脱せず引かれない服を選べるか俺は試されているんだ……
無難なものを選ぼうかと思ったがそれでつまらない男だと思われたくないし何よりもせっかく俺が選んだ服を着てくれるんだから似合う服を探したい。
榎本に似合う服を求め店内を歩き回る。
「迷ってます?」
「せっかく榎本さんが着てくれるなら真剣に選びたいと思ったんだよ」
「分かってると思いますが変な服は着ませんからね」
くっ……
なおさらプレッシャーが……
プレッシャーと戦いながら探し回ること少し。
「おっこれは……」
俺が興味を引いたのは水色のワンピース。
さっき無難なもので行くのはやめようと思ったがぶっちゃけ俺は派手な服装よりこういう感じの服のほうが好きなのだ。
「それを着てほしいんですか?」
「うん。頼めるかな?」
「分かりました。着てきます」
榎本がワンピースを持って試着室のカーテンの奥に消えていく。
本当に着てくれるとは……
なんかめっちゃドキドキしてきた……
ソワソワしながら待つこと数分。
試着室から榎本が出てくる。
「ど、どうですか?」
言葉を失った。
めちゃくちゃ似合っている、この一言に尽きた。
ワンピースを着たことでボディラインがくっきり分かって色気がやばすぎる。
正直見た瞬間ドキッとした。
「すごく似合ってる。着てくれてありがとう」
「そ、そうですか」
榎本は再びカーテンの奥に消えていき自分の服に着替えて戻って来る。
「このワンピース……気に入ったので買うことにします」
そう言って榎本はワンピースを持って会計をしに行く。
俺と榎本は交際関係どころか友人と呼んでいいかすらも怪しいラインだから買ってあげると言うことは出来ない。
世のナンパ師達はこういうときどうしているのだろうか?
会計から戻ってきた榎本ととりあえず優達が帰ってくるまで座って待っていようという話になり待つこと20分。
「ただいま〜」
「待たせてごめんね、達也。榎本さん」
二人が戻ってきた。
「さて、午後もこれからだしまだまだ遊びたいところなんだけど私も綾もこれから予定があるんだよね」
「そうなのか、じゃあここらへんで解散するか?」
今日は楽しかったけど少し疲れたな。
もっと女性に慣れればこういうのま平気になってくるのだろうか。
「そうなんだけどさ、今日四人で遊べてすっごく楽しかったからみんなで連絡先を交換しない?良かったらまた四人で集まって遊ぼうよ!」
「俺と達也は構わないよ」
俺を勝手に加えないでほしい。
まぁ俺も楽しかったし別に良いんだけどな。
「俺は別にいいけど……榎本さんはどう?」
「私は……四人で集まるなら別に構いませんよ」
なるほど、俺と優に長谷川がいるならいいけど二人きりなら遊ばないと釘を刺したのか。
でも連絡先を交換できて更には四人なら遊んでも構わないというのは大きな一歩だろう。
みんなで連絡先を交換しグループを作る。
「それじゃあみんなこれからよろしくね!」
「よろしく〜」
「よろしく頼む」
「よろしくお願いします」
疲れたけどいろんな事が経験出来たし榎本と仲良くなれるきっかけができた楽しい週末だった。
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