第21話 生きる道標

僕はXをやっていた。でも、Xの中でも僕は変だったと思う。周りの人のようにその人のために返信をしたつもりだった。だけど、振り返るとそれは相手を傷つける行為や空気を読んだつもりで読んでいない返答だったかもしれない。

様々な人にとても迷惑をかけた。

ぼくなんて居なければ良いのかもしれない。

ぼくは間違えなくASD(自閉症スペクトラム症)らしい。主治医が言うんだ。それは、合ってると思う。そうじゃなかったら今までの出来なかったことも笑われたことも全部、自分のせいじゃなくて障害のせいなんだと思う。

生きてていいのかなって考えることが何度もある。僕は不器用だから上手く生きていけない。僕は周りの人のように歩くペースが遅くて人がいる空間をとても気にする。


人が怖いんだ。


家では虚勢を張って、人なんて怖くないみたいな感じでいるけれど、ぼくは人といることがとても怖い。学校にいた時はテンプレートを活用していた。『おはよう』『よう!』『あれ面白いよな』『信じらんねえ』『まじで!?』『じゃあな』全部テンプレートだ。でも、それで3年間ちょっとやってきたけれど、無理が祟った。

できないことに挑戦するのは良くなかった。

3年生で不登校になった。

人間関係とかだけじゃない。

音や環境も僕には苦しかった。

でも、大学に行きたかったから頑張ってた。

僕の学校は大学までエスカレーター式だった。

でも、僕は他に学びたいことがあって高校卒業後は他の大学に行くつもりでいた。

だけど、今はどうするか悩み中だ。

何者にもなることができていない時点で、この世界は終わっているような気がした。

だけど、主治医に会って分かったのは、まだ僕の世界は終わってなかった。

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