第17話 決着
ミトラちゃんは死んだのか…?ミラちゃんなら即死してなければ蘇生できるか?狙撃自体には気づけていたように見えた。ミトラちゃんは地面に横たわっている。出血は…見えない。やはり防御ができたのか…?しかし倒れていることは変わりない。
「…今しかない…」
走り出す。魔王へと。催眠魔法で魔王の注意力を少しでも割く。今、魔王は最大の脅威である光の神と元魔王軍総統を殺すことに集中している。私のことは眼中にない。しかし魔王との距離をかなり離れている。人類の魔法にも身体強化ぐらいはある。魔力は残す必要はない。近づけさえすれば私に策がある。
「ガキィィィン!!ガキィィィン!!」
「やめろ!!!やめろ魔王!!!」
ミラちゃんが狙撃を防ぎながらミトラちゃんを治療しようとしているが、あまりにも強烈な攻撃に治療は進んでいない。珍しく言葉遣いが悪くなっている。
あ…ポルタさんが魔王の方へ…。身体はエルさんだけど…殺すしか方法はないでしょうね。しかし…私が身体をまだ持たぬ神ならエルさんの身体はとても…。
さぁ近づいてきた。魔王は銃撃音で耳が馬鹿になっているか何らかの対策をしてるはずだから…。こうして背後に立てる。
「カチャ…」
魔王はいきなり腰のホルスターの銃が抜かれ驚いていることだろう。
「貴様っ…!」
「ごめん。エル。」
「ドン!」
殺すしかなかった。顔は撃てなかった。エルは用意周到だからホルスターにいつもハンドガンを入れていた。それ以外に色々な事を知っている。エルは…あんなにいい子なのに…
エルの死体から魔王が抜けるのが感じられる。それほどまでに魔王は邪悪でエルは善良だった。
「…………?」
エルの出血が止まる。傷が治っている?やがて目に生気が戻り。肌の血色も良くなった。もはや反応していられない。久しぶりの悲しみだったというのに、一度に色々起こりすぎだ。
「私は…銃の神だ。コイツが気に入った。しかし身体を乗っ取るのは私の趣味ではない。私は使われて光る道具なのでな。」
「バタリ」
「…あ。エ…エル…!」
何がなんだか。エルは完治して可愛い顔をして寝ている。
「………むにゃ?ポ…ポルタさん!?どうして膝枕を!?………?泣いてます…?」
「あぁ…。久しぶりに…」
「久しぶりに…?」
「嬉しいよ…」
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