第12話 見えない
「私達はシュネーレの人間ではないからいいが、エルはこんなあっさりシュネーレを出てしまっていいのか?」
「私は…ま…魔王討伐にとても意義を感じて…」
………。ポルタが目的だな。間違いない。
「そうだ。エルはどんな事ができるんだ?あと人工魔法核のことも聞いていなかった。知っておいた方が連携もとれる。」
「私は…そうですね…」
エルは中々優秀で遠距離の狙撃から近距離の格闘までそこそこできるらしい。作戦立案などもでき、戦術的思考も持ち合わせている。唯一足りないのは人を見る目だと言えるだろう。シュネーレはこんな逸材を取られてしまった大丈夫なのか。兵器が強力だから大丈夫か。
「人工魔法核については開発者の私が解説しよう!まず魔力いうものは太陽や地球から…」
エルのショルダーバッグに人工魔法核が入っているらしい。中々小型だ。魔力に属性はついていない。魔力は様々な物が産出しているが属性に関しては完全に神の領域だそうだ。エルは魔力を武装に流して射撃などして戦うが、他にも魔力自体を即席の武装のように変化させることもできる。
「だいだい把握できた。先に進もう。」
「はい。」
「まだ魔力の話は終わってないよ〜?」
「大発明ですね!凄いです!」
「ミラちゃん。話が長いと素直に言ってくれてもいいんだよ…。」
シュネーレでだらけた体もだんだんと本調子に戻ってきた頃だった。
「ザッ…」
「ん?足音が…誰か立ち歩いてますか?」
「いや、みんな休憩中だ。敵か…?」
「みなさん警戒してください!」
「ザッ…ザッ…」
足音はどんどん近づいて来ている。しかし誰一人見当たらない。
「………?足音が止んだ?」
唐突に足音が止む。不穏な気配を感じる。
「ミトラ!!眼の前!!!」
「ポルタ!?なにが…」
その瞬間、私の視界の全てが透明になった。
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