第3話
「で、師匠何してるんですか?」
俺はリタ。大勇者の弟子だ。さっき幼い頃生き別れになってた弟妹と再会した…のだが!
「リーーーーーターーーーー!大丈夫ーーーーー!?」
とか叫びながら弟の背中に飛び蹴りを食らわせた師匠に説教中だ。
「心配してくれたのは嬉しいですけど、初対面で背中を蹴るだなんて!」
「はい…。ごめんなさい…。リタの弟って知らなくて…。」
「俺の弟じゃなくても戦闘中以外人の背中を蹴っちゃダメです!」
「はい…。」
「まあまあお兄ちゃん、えーと、トレイルさんでしたっけ。妹のニアです。」
「弟のロアです。鍛えてるんで大丈夫ですよ」
「ごめんなさい…」
「ロアは少しは自分の体を心配しろ!」
「大丈夫だよ、兄さん。僕はそこまで貧弱じゃ「そういう問題じゃないんだよꐦ 」はいごめんなさい」
「お兄ちゃん!そんなこともういいじゃん。私お兄ちゃんの住んでるお家見てみたい!」
ニアはもう少しロアの心配してやれよ。
まあ、家に来るなら師匠に聞かないとな。
俺はシュンと項垂れている師匠の傍に行き声をかけた。
「師匠。ニアが俺の住んでる家を見たいと言っているので案内してもいいですか?」
「…イイヨ…。」
よし、許可はとったな。
「ロア。ニア。許可はとれたから俺と師匠の家に行くぞ。師匠は反省し終わったら1人で帰って来てくださいね」
「着いたぞ」
「わぁー!」
「…!」
お、驚いているな。
師匠はあんなだがそれでも大魔王リヴァルを倒した大勇者だ。それに中々容姿も整っているので雑誌や設置型映像投影機器「テレヴィジョン」の番組に出演したり、講演会に呼ばれたり、絵本が作られたりしているからその都度ギャラや監修費を貰っているし、国から軍総司令官のスカウトや爵位贈呈の誘いが来たがそれを蹴ったら毎月お金が送られてきているらしい。さらに、領地は持たなくていいからと城のすぐ近くにとんでもない豪邸を持たされているのだが、
「俺あんなとこ住みたくない!やだ!」
と、豪邸の庭にログハウスをつくって普段はそこに住んでいる。ちなみに豪邸には師匠が女性との逢瀬に使っている。
「お兄ちゃん、トレイルさん贅沢すぎない?あんな豪邸持ってるのに、庭にお家を建ててそこに住むだなんて。」
「そうだよ。もういっその事この豪邸売ってお金にしたら?」
「ああ、そうしたいんだけどな。あそこには師匠が連れ込んだ女がいっぱい来るから、売るに売れないんだ。」
「うわあ…。」
「えー、トレイルさんそんな趣味があるんだ。一見爽やかなのに。」
「だろ…?絵本やテレヴィジョンでだけ見ると人類を救った大勇者なんだけど蓋を開ければ女好きの猫かぶりわがまま脳筋ゴリラなんだよな…。」
「リーター?誰が脳筋ゴリラだってぇ?」
「うわ地獄耳だ。だって事実じゃないですか!?弟の背中蹴るし!」
「グッ…。ソノセツハタイヘンモウシワケゴザイマセンデシタ…。」
「ア、イヤ、モウダイジョブデス。」
「あはは、ロアもトレイルさんもカタコト〜笑 お兄ちゃん、もうそろそろ中入らない?」
「そうだな。ロア、師匠!行きますよ!」
「わあー!ここがお兄ちゃんの住んでるお家?あったかーい!」
「この木は…。トレイルさん、これって最南端のオキトリノ王国のですか?」
「え?ああうん、そうだったと思うけど。詳しいんだね!」
「いえ、見えたんです。それが僕のロックスキルなんで。」
『ロックスキル:いわゆる固有スキル。SからDまでにレベル分けされており、変動はない。人類だと7割が持っている。ちなみに魔物などを倒したりすることで得られるスキルはアクティブスキルという。レベル変動はあり。』
「僕のロックスキルは超鑑定A。見るだけで大抵の事は分かりますよ。トレイルさんは何なんですか?」
「僕?僕は超光属性Sだよ!闇耐性がつくだけだけど。」
「S!?1割未満じゃないですか!さすが勇者!兄さんとニアは?なんだっけ。」
「私は超魔法操作A!便利だよ!」
「俺は…。」
これは言っていいのだろうか。言ったら怖がられないか?なんてったって…
「もう!早く知りたい!何なの?」
「俺は…。超闇属性Sだ。光耐性がつく。その…。魔王と同じ能力だ。」
「魔王!?嘘でしょ!?!?!?」
「兄さん!?魔王と何か繋がりがあるの…?」
「…あの時だ。俺が殺されそうになった時に、師匠が助けてくれた。その時師匠のつけた傷からでた魔王の血が俺に入って…。本来なら猛毒だから死ぬところだったけど相性がよかったみたいでな…。今の俺は半魔族なんだ…。」
「お兄ちゃん…」
「兄さん…」
「でも!!!!!」
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