勇者の貴方に贈る唄
綺妃舞依
プロローグ
あの時の事はよく覚えている。
村一体に広がる赤い炎。人々の悲鳴や泣き叫ぶ声。残虐な顔をした魔王軍。
「お兄ちゃん!」「兄さん!早く!」
ああ、ごめんな。お前達と一緒に行ってやれなくて。ダメな兄貴で、ごめんな…
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