戦争の本当の残酷さ

ぬおー

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戦争はあまりに残酷である。

多くの人はそれを止めるべきだと思っている。

皆知っている。

それはテレビで、あるいはネットで惨い(むごい)映像を見ているからである。

私はそれにひとつ大きな指摘をしたい。

そこにはリアリティだけが存在し、

"リアリティ"がまるでないのだ。

泣き叫ぶ子、子を亡くした母、それを抱える父、頭が真っ白になりただ立ち尽くす人、銃を突きつけられ、手を挙げる人。

まるで"リアリティ"がない。

撃ち殺す人をまるで身内が殺されたかのように罵倒し、投降した人を讃える。

そんな単純ではないのだ。

戦争とはそんな単純ではないのだ。

あなたは戦争を理解するというのはどうゆう事だと考えるか。

歴史を理解すること、国家情勢を理解することと答える人がいるかもしれない。一理あるが、私はそれではまるで死んでいった人が合理的に死んで、仕方なく、当たり前に死んで良いとするみたいに思えてしまうのだ。この意見を肯定してしまうと、ある意味さらに戦争をすることに繋がるのではないかと思うのだ。

例えば、日本で考えてみよう。

(日本史や世界史をわかりやすい範囲で書く)

日本は戦後どう立ち直ったのか、それは朝鮮戦争により、特需景気が日本に来たからというのが1つある。

日本が立ち上がるには戦争が"必要"だったのである。これは1種の日本が戦争に加担していると言っても良いのでは無いだろうか。

2つ目の例として、ヒトラー率いるナチ党の第二次世界大戦が始まる経緯を考えてみよう。

簡単に言うと、第一次世界大戦後ドイツは多額の賠償金を戦勝国に迫られ、さらに工場を占拠されたためハイパーインフレに陥る。

その中、演説で民衆の心を掴んだのがヒトラーである。


さらに戦勝国は技術革新もあり、自動車などをコンベア式に自動で生産できるようにすると馬鹿なことに売れる量よりも作りすぎてしまったため、その分借金が出来てしまい、倒産が相次いだ。

これがウォール街から始まる暗黒の木曜日、世界恐慌である。

これをきっかけにドイツに対して賠償金の減額などを進めるが立ち直れる訳もなくそのまま戦争に発展したのだ。これはあくまでも1つのストーリーである。この他にも様々な要因が重なって今の世界に行き着くのである。

この事実に100パーセントドイツが悪いと言えるか。では100パーセントアメリカが悪いと言えるのか。

私には言えない。原因はどこにあるのだろうか。

アメリカ?イギリス?ドイツ?

一瞬そう思うが、大きな原因はあったとしてもこれを遡れば人類がこの地球に生まれたきたそこから始まってしまうのである。

戦争は戦争を生み、また憎しみは憎しみを生み、繰り返すのである。永遠に。


そこで一度、自分の居る環境を想像してみてほしい。

遠い戦争の映像ではなく、身近な生活を想像してみてほしい。

毎日眠りにつくベッド、通う学校、職場、そして家族、友達、同僚。

それらがある時突然、目の前でなくなるのを想像してみてほしい。

そこには情報で得たリアリティとは違う"リアリティ"が見えるはずだ。

しかし、まさかそれが実際に起ころうともみないであろう、だから同時に"リアリティ"もないのだ。


そこには残虐さだけが残るのでは無い。

想像してみてほしい。

死者○○人、家屋○○戸破壊という"リアリティ"のないただの数字、銃を持つ者、持たざる者、死ぬ人、逃げ叫ぶ人のただの情報というリアリティが"リアリティ"に変わるだろう。


そして私は今ほんの数十年前の話をしたにすぎない。

戦争は人類が生まれ、村を形成し、定住してきたその瞬間から起きている。

数百年前数千年前から戦争は起きているのだ。

その命と今の命で何が違うのか。


本当の恐ろしさ、残酷さはそこにある。

どんなに文書に残し、ピカソはゲルニカなどの絵を残し、数百年の時を経てそれが事実であったとしても、人類はいずれ半伝説のような扱いをしかねない。


今の時代、戦争で怖いのは核で人を、手を汚さずに殺すことだけではない。

人類が歩んできた歴史を、私たちは現在進行形で積み上げているということを忘れてはならない。


歴史の事実が"リアリティ"として今後鮮明に残ることは不可能である。

しかし、それを考え続けることが戦争を止める唯一の術なのだ。





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