34話 開幕

───1年控室 




 夏休み期間が終わり、あの後、候補試験前テストがあり、何とか上位に立つことに成功した私。




 それから、1週間後。




 ついに待ちに待った、ウィザード・セクト候補試験の幕が開けようとしていた。




 騎士ナイト部の部員全員と、私にアノール。




 ブレス先輩やエレノア先輩。




 そして、マリアンヌにセド。




 レオナは試験を受けなかった。どうやら興味がないらしい。




 勿論、その他の成績が良い生徒たちも参加している。




 夏休み期間に、セドとアランさんに告白をされ、返事をしなければならなくなった。




 だが、今はそれどころではない。




 セド自身も緊張しているみたいで、いつもより口数が少ない。




 そんなセドに声をかけると、肩をビクッと跳ねた後、顔を振り向かせた。




「ルナ……」




「緊張しすぎよ? 人のこと言えないけどね。でも、大丈夫! 第1試験はチーム戦らしいから、お互い頑張ろう!」




「フッ。そうだな」




 緊張が解れたのか、笑みを浮かべたセド。




 ほんの少し、胸の奥が苦しくなったのは、ここだけの話。




 そして、私たちはウィザード・セクト候補試験の会場へと向かった。







───ウィザード・セクト候補試験会場




 候補試験の会場は、編入試験と同じ場所。




 そこに、アノールやブレス先輩たちの姿があった。




 彼らも参加していることは、元から知っていたけど、こうやって改めて周りを見渡してみると、皆、夢を持って、その夢を叶えるために、この試験を受けているのだと思うと、私なんかが合格できるのかと、不安になってくる。




 そうやって心の奥底で思っていると、ルイさんが私たちの前に姿を現した。




「これより、私。ルイ・マーティンが、ウィザード・セクト候補試験を、開始することを宣言します。


 まず、本日の試験内容について説明させていただきます。試験は3日間行われ、第1、第2、第3と分けて行います。そして、第1試験はチーム戦となります」




 ルイさんが説明し始めると同時に、白色の杖を一振りすると、今までいた会場ではなく、どこかの洞窟に転移させられた。




「皆さんをハシバミの洞窟と呼ばれる場所へ転移させました。この洞窟には4つの祠があります。


【炎の祠】【水の祠】【雷の祠】【癒しの祠】。


 祠には、それぞれの魔法書が置いてあります。その魔法書を各チーム1つ所有することで、合格といたします。では、2人1組で組んでもらいますので、私が名前を呼んだ生徒は、前に出てきてください」




 第1試験のチーム決めが始まり、私とレオン先輩がチームとなり、その他のチームはこうなった。






───セド&アノール




───ルーカス部長&ユノ先輩




───ブレス先輩&マリアンヌ




───エレノア先輩&ネオ先輩




 


 チーム決めが終わり、私は1人絶望していた。




 ここにきて初見から、レオン先輩と一緒だということ。




 それは、最悪とも呼べる。




 レオン先輩は私に近寄り、『よろしくな』とニヤついて言ってきた。




「よろしくお願いします先輩。あと腹立つので死んでください」




 ニコッと笑みを返した。




「言うようになったじゃねぇか! 良いことだ!」




「なんかムカついたんで」




「頑張ろうぜ! 不思議ちゃんよ~!」




 多分、周りからしたら『会話が成り立ってない!』と思われてそうなくらい、嚙み合わない。




 まぁ、冗談はここまでにして。




「先輩と組んだのなら、必ず魔法書を獲得して、合格しましょう!」




「分かってるぜ!! 任せな!!」




 なんだかんだ私たちは、気が合うのかもしれないと、そんなことを思っている矢先、試験開始の合図である鐘の音が鳴り響いた。




「それではご武運を!! 始め!!」














───こうして、ウィザード・セクト候補試験が今、開幕したのだった。

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