第2話何でいるの!?

今日から通う私立桜華学園は、中等部からの持ち上がりと高等部からの半々くらいらしい。男子は知らないが、女子生徒は無意識にグループを作る。

(突然グループに入るのは正直キツイ。ムリ。そんなコミュ力無い。狙い目は高等部からの人たち。何とかオリエンテーション中にお話できる人ができるといいんだけど…。)


そんな事を考えながら、入学式の席に座る。

知り合いは皆無だ。こういう時ばかりは、世間の広さを恨む。


(いつもは狭いクセに。)



***



式は滞りなくすすと進み、新任式へ移行している。


「新任の先生方、ご挨拶をお願い致します。」


ぼーっと式に参列していた私は、見知ったシルエットを見つけて一瞬固まる。


(うん?)


目を細めてよく見る。


(気のせい?)


「代表で亜月先生、お願いします。」


その瞬間、会場が騒めく。


「ご紹介に預かりました、亜月ケイゴです。」


ニッコリ笑うと再び騒めく。


(ケ、ケイゴ⁉︎なんで???新任?はぁ?)


今度こそ思考が停止する。ケイゴが何らや言っているが、ミラには何も聞こえなかった。担任発表で再び騒めきが起きた。案の定ケイゴが副担。


(何でだよ…。)


頭が追いつかないまま、教室へ案内されるのだった。

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