第57話 魔王の力
第57話 魔王の力
グラドール『公認魔法師を倒したとなると…魔導協会も動くかもしれません…』
グラドール『私には、人間を脅かす権限も威厳もありません…倒される時が来れば大人しく現実を受け入れるでしょう…』
レクサム『では…魔王の力とやらを今ここで見せて貰おう…』
ゼイル『おい!レクサム!何を言って…』
レクサム『俺達が旅をするのならこの先…こんな強い奴等がごろごろいやがるんだ!』
レクサム『あの魔王にこんな傷を負わせる程の、強い者も昔には居た。今ここでその力を確かめても良いんじゃないか?いや…違うな確かめとこうぜ…』
パメラ『お願いします。魔王さん』
グラドール『これは…良いでしょう…手加減はどうします?』
レクサム『死なねぇ程度に…』
グラドール『ハハハハハハ!これは良い!良いですね!』
グラドール『では…私の属性…闇に宿る魔力特性をお見せします』
グラドール『序章の盤面』
パチッ
急に辺りが暗くなる…すると…目の前に壁があった…
レクサム『姉貴!俺と姉貴は辺りが見えるが…こいつらには見えねえ!日常魔法で照らしてくれ!』
ニイ『分かりました!日常魔法…「光の灯火」』
辺りを照らすと…目の前には、巨大な騎士の石像があった
シェルピー『大きな石像ですね…』
レクサム『これは石像じゃ無い…駒だ。』
グラドール『そうですその通り!よくお気付きで…』
何処からかグラドールの声が聞こえる…
シュン
すると…駒の頂上に姿を現した
シェルピー『あんなところに…』
レクサム『いやっあれは本体じゃ無い本体を模した。駒だ!』
ゼイル『こんなでかい駒をどうやって出現させているんだ?』
レクサム『駒がデカいんじゃ無い…俺達が小さくなっているんだ…』
レクサム『この特性は、盤面になっていて入った者が炎属性か光属性を持ち日常魔法の基本である明かりを灯す事を扱えなければ詰みになり…また…何かしらの明かりを持っていてもこの先のある決まりで詰むことになる…』
ゼイル『ある決まり?』
レクサム『この勝負に勝つこと…』
レクサム『勝つと…次の勝負が延々に続くんだろ…』
レクサム『つまり…この特性を受けた時点でもう既に奴の文字通り「手駒」と言うことになる…』
グラドール『はい!その通りです!ですが…瞬間魔法でも出られますよ…私の特性には私自身が他の魔法術を扱え無いようになっておりますので…』
グラドール(あと…転移魔法でも…ですが…)
レクサム『それも…嘘だな…もう既に張り巡らされている…』
レクサム『先の決まりで詰むのは…この盤面での勝負をどう進めるかだ…』
グラドール(解析魔法を極められていますねこうもあっさりと私の特性に気づいている)
レクサム『駒を動かしてこの勝負に勝ち続けるかここで死するかだ。』
レクサム『駒を動かせるだけの力があるか…この特性の仕様にいち早く気付き…自身の魔力質量によって変わる瞬間魔法で抜け出すかの3択だ。』
グラドール(勿論…他にもございます。この特性を受ける前に魔力耐性の高度な技術である「特性耐性」で自身を守る事…それをすれば私の特性は、受けません)
グラドール『どうしますか?このまま続けますか?私はもうこれ以上お客人を、この様な目に遭わせ続けたく無いので要望に合わせて解きますよ…』
レクサム『これが…』
ゼイル『魔王の力…』
シード『次元が違うな…』
オウガン『女性の魔王も居るのでしょうか?』
シェルピー『パメラさん?』
パメラ『レクサムさんが言っていた…あの言葉…』
レクサム『魔力質量は、魔法・剣法全体を左右させ…生まれ付き決まっている…パメラがもし…瞬間魔法覚えられたら冒険じゃ無くて旅行になるな…』
パメラ『魔力質量は魔法を左右する…』
シェルピー『パメラさん…』
ニイ(それは…転移魔法ですね…もう掴んでいるのね…)
パメラ『皆さん行きます…』
レクサム『何処にだよ…!』
グラドール『まさか!』
シュゥン!
グラドール『まさか私の結界術をも上回る魔力質量をお持ちとは…』
グラドール(しかも…この魔力量…私でも恐ろしく感じます。一瞬…感知が出来ませんので)
レクサム『出られた!パメラが…あの一瞬で転移魔法を…』
レクサム『これは…転移魔法だな…そうか…グラドールは単独の場合での対策を言っていたのか…』
グラドール『にしてもそちらの少女…パメラ様と言うのですね…凄い成長を見せて貰いました。』
グラドール『ですが…』
レクサム『!』
グラドール『魔王の強さは私以上の者ばかりになります。』
グラドール『あの魔龍であっても…今の私では骨が折れるかもしれません』
グラドール『また…いつでもこちらに遊びに来て下さい…いつでも歓迎致しますので…随分とお急ぎの様でしたので…』
こうして私は、転移魔法を覚え魔王さんの特性から自力で抜け出せた。
魔王さんと別れて次の目的地を目指す。
次の目的地は、境界の都市「テュリス」
精霊界と獣界に入るための都市になる場所のようだ。
私たちは、その目的地へ歩みを進めるのだった。
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