第15話 ゼイルという青年

第15話 ゼイルという青年


ゼイル『ごめんねちょっと行ってくるわ』

ゼイル『僕の魔力属性には、特性があってねそれで君のような魔法師にも気付かれなかったって訳』

と言い他の盗賊と共にレクサムの元へ向かって行くのだった…

ゼイル『でっ状況は』

盗賊A『あいつ次から次へと仲間を剣を抜かずに…俺たちでは歯が立ちません』

ゼイル『そんな事聞いてねぇよボスは無事か?』

盗賊B『ボスはご無事です』

ゼイル『そうかそれなら良いお前達はボスの元へ行ってろ俺があいつを止める』

盗賊C『いくらボスのお気に入りでもあいつを止めるなんて出来る訳…』

「ザシュ」

「ドサッ」

ゼイル『言ってなかったっけ俺は元暗殺部隊だ人の命なんて重いなんて微塵も思っちゃいない』

ゼイル『黙ってボスの所へ向かってろ』

ゼイル『あいつは俺1人で充分だ』

盗賊A『はい』

ゼイル『さてまた随分やられたな』

レクサム『誰だお前さっきからまぁまぁな魔力を感じていたがお前か?』

レクサム『それだったら気配を隠せて魔力を隠せられない間抜けになるけど…』

ゼイル『良くほざくな…此処は俺の新しい家なんだわ、こいつらも使えはしないが同じ釜の飯を食う同胞』

ゼイル『魔力を隠すねーそれってこう言う事だろ』

急に目の前のあいつが居なくなった

レクサム『なかなかやるな』

レクサム「特性だな…タチの悪さから恐らくは国に飼われていた暗殺部隊の1人だろう」

ゼイル「ゴーストそれが俺の属性闇が持つ特性発動中は気配と魔力を感知出来なくなる」

一瞬の隙が急所を貫くだろう…

ゼイル「剣術ロストルーツ」

感知が通用しないそれにより奴の動きを読むことが重要視される微かな動きの変化で俺は奴の連続の攻撃を交わす

ゼイル「剣を抜かない舐めてるな」

「剣術ロストファントム」

奴の攻撃が増えた気がした微かな奴の隙を俺が見逃す訳がない

レクサム『鍛え直せ鈍ってるぞ』

俺の鞘は奴のみぞおちに当たる

レクサム『せっかくの特性を持ってんだこんな場所で居るなんて勿体無いだろ』

ゼイル『此処は俺の家何だ…ゲホッゲホッボスが拾ってくれなかったら俺は、あそこで死んで居ただろう』


2年前…

?『絶対に逃すなもう直ぐ仕留められる』

俺は王国に裏切られ仲間とその家族もろとも殺される寸前だった…

?『お前だけでも逃げろゼイル』

ゼイル『それじゃレイザーお前は』

レイザー『俺は良いんだこんな体じゃ逃げ切れたとしても長くない』

?『楽しかったぜゼイルなぁにお前がくたばったらまた会えるさ』

ゼイル『ローチス』

レイザー『他の仲間もお前だけを逃がそうと考えているようだぞ』

ローチス『お前が一番若いまだ先が長いんだ』

レイザー『共に仕事を出来た事を誇りに思う』

?『居たぞあそこだ!』

レイザー『奴等が来る早く行け!』

ゼイル『すまない』

レイザー『それで良いんだ』

故郷は奴等に滅ぼされた

部隊は1人残らず魔導将軍率いる部隊によって処分される

暗殺部隊それは俺の生きる意味そのものだった

ボロボロになって生きる希望を失った俺をボスが拾ってくれた

部隊にいた時の経験が盗賊で発揮される

失った仲間が再び出来る

他の奴にいい思いをされなくて良い

俺は…ボスが居れば良いんだ

だから呼ばせてくれ…親父と…

レクサム『地下だなさっきから微かに感じる魔力で俺に知らせているんだろ』

レクサムが地下に降りてくる

レクサム『無事か?』

レクサム『片付いたぜとっとと此処から出るぞ』

レクサム『さっき支柱となる部分を壊してきたもう直ぐ此処は崩れるだろう』

ゼイル『ボス…しくじりました俺はボスの期待を裏切った』

ボス『それで良いんだゼイル…あの人達と共に旅をしろ』

ゼイル『俺は此処が良いんだ拾ってもらった恩があるいつかボスをこう呼べる時が来るって』

ボス『お前の仲間を殺して回った指導者が私でもか?』

ゼイル『!』

ボス『裏切りなんてしてなかったあの国は他国に攻め落とされたそう私が率いる部隊によって…』

ボス『国を攻める際最も厄介なのは魔力を扱える者達だその為、暗殺部隊が国と孤立するのを伺っていた』

ボス『私は多くの罪無き人達を殺した今でも罪無き人達を商品として扱う戦争は、人を残虐にするには充分だった』

ボス『トルヴィア王国魔導将軍アルモス・ガトラバドは私だ』

アルモス『戦争の味を知った私は、将軍の座を降りた私の祖国であるトルヴィアを滅ぼして』

ゼイル『あんたが仲間を…何故俺を拾った何故奴隷を売る盗賊なんかやる』

アルモス『力があるからだ…結局この世界は力がある者こそが欲しいものを手に入れられる』

レクサム『腐ってんなお前…ゼイルと言ったなお前は良いとしてアルモスお前は逃せねえ罪を償え』

小さな声でこう言っていた

レクサム「あと高い報酬掛けられてるし」

アルモス『元からそのつもりだ…』

アジトにリートグルムの兵団が駆けつける

パメラ『ラグスさん』

ラグス『また会ったねアジトを見つけたと知らされてね』

ラグス『奴隷廃止を進めている国だ放っては置けない』

ラグス『あのアルモスだ警戒を怠るなよ』

兵団『はっ』

こうしてアジトの人達は次々と捉えられた

レクサム『あいつだけは見逃してくれ』

ラグス『そうします』

レクサム『すまないな』

ラグス『いえいえ報酬は国王様から頂いておりますこちらです』

レクサム『パメラこれでご馳走が食えるぞー』

レクサム『お前こっち来るか?一回しか誘わないぞ』

ゼイル『…』

レクサム『あのアルモスとか言う奴何が欲しかったんだろうな』

ゼイル『…』

レクサム『力と金で買えない物が欲しかったんだろうな』

レクサム『家族の絆とか』

レクサム『でも結局は、歪んだ思想ではまともな行動すら出来ない』

レクサム『戦争によって』

ゼイル『師匠と呼ばしてくれ』

レクサム『まぁ良いぜ』

山の頂きから朝日が昇る

こうしてアジトは無くなり一つの平和が増えたのだった…

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