第10話 魔導兵団の影
『ゾーン空洞』そこは、町外れの静かな場所に入り口を構えていた
私は息を呑む
その入り口からは、沢山の魔の存在とおもしき声が反響して聞こえて来たからだ
レクサム『行くぞ気をつけろよ』
彼が先導する
内部は入り口と違って大変広く
奥へと続く道が、自然と出来ている不思議な場所だった
レクサム『ここは昔、英雄軍が戦っていた時代に、圧倒的な力を見せた英雄軍達を恐れ多くの魔の存在が隠れ潜んでいた場所なんだこんなのが世界中に沢山ある』
レクサム『それを今の時代の人達はダンジョンと呼び恐れまた、挑んでは命を落としている』
レクサム『そんな危険な場所だ』
彼はそれを伝えると満足そうに、ズタズタと歩みを進める
気分が良いのだろう
しばらく歩みを進めると、先程の外の光が無くなり辺りは暗闇に包まれる
ニイ『これはいけませんね』
そう言うとニイさんの持つ立派な杖が光り出した
パメラ『綺麗』
シェルピー『ほんとだー炎では作り出せない明かりですね』
レクサム『姉貴の属性だ』
レクサム『俺は持ってねぇ別の属性だ』
パメラ『ぞくせい?』
レクサム『ああお前は知らないか』
レクサム『属性とは…』
その瞬間私の足元が崩れた
レクサム『パメラ!』
彼の声は一瞬で聞こえなくなるまで私は洞窟の地下へと勢いよく落ちていく
私は落下し、勢いよく体を撃ち着けず何か柔らかいものに当たり衝撃は緩和された
本来私の人生は、あの時で終わっていた
だが私は2度の人生を頂いた
冒険とは、常に危険が伴う幼い私には警戒心を常に保つ精神など持ち合わせていなかったのだ
レクサムがいる安心感それが、私を弱くするもう心配なんてさせない、させたくない
私は、体に摩り傷一つないことに気付くと当たったものを確認する
それは…
まさしく魔の存在だった
『ゼニョン』それは魔の存在の中では危険こそ少ないが剣一つ振り回せない私では熊に向かうのと同義だった
スライム状で出来ており歯のようなものは無いが獲物を吸い込み丸飲みする生態をもつ
私にはとても向かう勇気などなく、その時の私には恐怖しか無かった
諦めるそれはとても残酷なことだ勿体無いことだでもこの世界では、レクサムのような強い人が側に居ないと私は何も出来ない
諦めかけたその時
後ろから声が聞こえる
その声はリートグルムにいたラグスだった
ラグス『何故君がここに?崩れる音が聞こえ来てみたら』
あっという間にゼニョンを真っ二つにして倒す
ラグス『あの子たちは一緒じゃ無いのか?』
パメラ『道が急に崩れてしまいまして』
ラグス『この高さから落ちて無事だと』
ラグス『あの魔の存在がクッション代わりになったとはいえ中々の豪運まるで君は、何かに守られているようだ』
パメラ『すいませんギルドで騒ぎを起こしてしまいました私が、レクサムさんの代わりに謝ります』
パメラ『謝るだけではすみませんが』
ラグス『君はしっかりしているだが、あれは良いんだとはいえ近頃ギルドの連中が力を付けているのも事実』
ラグス『例の三つ眼の蛇というギルドが関係しているとは分かっている』
ラグス『奴らのその強さに感化され真似をし悪さをする者、各地の剣術と魔術を扱う盗賊などの罪人らもそのギルドとして手を組み出している』
ラグス『三つ眼の蛇その強さは私のような魔導将軍でも歯が立たないぐらい手強い』
ラグス『でも君のお仲間さんなら勝てるだろうあの人は強い…』
ラグス『私が幼い頃、リートグルムから英雄軍に入った者のお話を王よりお聞きしたことがある』
ラグス『そのお話に出てくる彼の雰囲気があの人に似ていてね。何でも昔から騒ぎを起こし片っ端から力試しを求める性格だと』
ラグス『人は何処かで必ず縁を結ぶ』
ラグス『私の母が好きな言葉だ』
ラグス『君には、その縁を結ぶ力があるのだろう』
この人になら伝えても良いよね?
その気持ちが過った(ごめんレクサム)
パメラ『界門という力をご存知でしょうか?』
ラグス『はて何のことだろう』
ラグス『それよりここは危ない』
ラグス『急遽この洞窟を調査していた部下より連絡が入ってね』
ラグス『例の裏切り者の件だ』
ラグス『何でも…ここにいるとの報告を受けて来た』
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