第3話 一人の青年と無垢な少女

今まで一度も町の外に出たことは無かったこれが私の夢の第一歩になる。

心地よいそよ風と小鳥の話し声が聞こえる。花の周辺には、綺麗な蝶々さんがひらひらと飛んでいる。

これが『お外』

お日様の光だって眩しいと思える。

そんな、日常の小さな幸せを日々感じ取りながら私はこの日を待ち望んでいた

まだ探検だけれど、これがいつか冒険と言えるような壮大な旅が始まる。

自然と私は前世では、味わったことがない感情が芽生えていた

それは『高揚感』だった…

今でも、あの時の感情は忘れられないぐらいに心地よくそして、私の楽しみが一つ増えた事もより感情を強めていたと思い返す。

私の生まれ育った町は

『ヴァラメンス共同国』という国の最南部にあるらしい

つまり田舎の町である

共同国とは争いを無くし身分を緩和させ人々の意見を聞き入れより良い国作りを目指す国に区分されており

今まで争いが一つも起こらなかった国の一つらしい

人々の噂では、国王様がかつて多種族間との戦争を終わらせるために立ち上がった『英雄軍』の、一人だという話が広まっている

大変…国王様は人見知りだそうで、ごく一部の者たちしか顔を見せないのが返ってこんな噂になったと言う人も居るのだとか

森を抜けるとそこは一面に広がる草原と

遠目に見えるヴァラメンスの、中央都市である『ハバン』の街が広がっていた

建物は高く街の中に入ると、周りが入り組んでおり思わず迷いそうになる

さらに高低差があり階段の次に階段さらに登り降りと上下が入り組んでいてとてもオシャレであり不思議な街並みをしていた

そうこう思っていると突然何処からか呼び止めるような声が聞こえる

?『おい』

ふと私はびっくりして固まった声を出した

パメラ『はい』

その声の主は青年であり今の私の…

大切な仲間の一人になる人だった…

?『お前、ここが平和な国だって思っているなら間違いだぜ』

?『気付いてないだろ、さっきからおっさんらがお前のことをジロジロ見ているのを…』

周りを見ると確かに、おじさん達がいて

怪しい動きをしていた

パメラ『でも道行く人達を眺めているだけかもです』

?『はあ…いいか覚えておけ、ここはこの国一子供や女達が何者かに攫われている場所だ』

パメラ『でもそう言って私を、攫おうと思っていませんか?』

?『おう!そうだ…その危機感がお前には必要だ。気に入ったタダでお前を守ってやる』

?『実は金に困って、丁度良い賞金稼ぎがあったからここに来た。でっお前が丁度良く来たから変態共を誘き寄せられたって訳だ』

お金を稼ぐために私を使っていたことに対して、この時の私は何も言わなかった

なぜならそんなことよりも共に旅をしてくれる友達であり仲間が出来たことが嬉しかったからだ

青年に安全な場所へ案内されその青年は、倍以上ある背丈のおじさん達を気付かない速さでやっつけていった

賞金であるお金を受け取り青年は何を食べるのか悩んでいた

その顔は、少年のような雰囲気が出ていたとても面白い人だった

?『あの馬車に乗るぞ、隣町にはヴァラメンスの首都グンファル直通の街道があるそこでまた馬車を拾う』

そう言って私達は隣町の『マドニナ』に向かった

その町は円形になるように建物が建てられておりハバンの街並みのように高さがあるとは違いマドニナの街並みは真っ直ぐな道が交差するように並んでいた

着くとすぐに馬車を拾いにいくはずだったが馬車は通っていなかった

その理由は年一回行われる建国を祝うために王族と貴族ならびに国中の騎士と兵士の皆様達が王都から始まり首都を通ってヴァラメンス中を一周する祭りが行われるためである

あの街道は馬車のみが通れるため王都に向かうためには遠まわりをしないと行けなかった

半分に差し掛かる頃には夜も更け辺りは静まり返っていた

ヴァラメンスの国には、旅人の憩いの場所として温もり石という、いわゆる温泉が出来る冷えない火山岩がはめ込まれた場所が、点々と建てられているもちろん宿場もありタダで休めるのだ

私達はそこで、休まることにした

温泉に浸かるために服を脱ぐと水面にふと背中にある印が見えた

お父さんが言っていたあの印があの時の私はそれが気になって

とある行動に出てしまっていたのだった…

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