溺愛系執事を召喚してしまった底辺少女、今日から2人で世界攻略はじめます!
いちごみるく
プロローグ
みなさんは、世界を変えたいと思ったことはありますか?
この世の中は、言わずと知れた“敗者に厳しい世界”。
少数派な人間、力のない人間、弱い人間は黙って制圧される。そういうふうに出来ている。
例え理不尽であっても、矛盾していても、不公平でも関係ない。それらがまかり通ってしまうことも少なくはない。異論なんて認められない、意見をちょっとでも主張すれば叩かれる。
もちろん、それが多くの人に共感できる意見なら評価してもらえても、そうじゃなければすぐに袋叩きにされる。それが、どんなに間違えていなかったとしても。
こんな世界で生きていくのは正直、難しい。
それは、いわゆる“普通の人”でも感じることは少なくないと思う。そんな中で、なんの権力も地位も富も才能もないような底辺にいる落ちこぼれた人間の極小数派の主張なんて、いったい誰が耳を貸すだろう。
どんなに声を大きく主張しても、どんなに色んなに色んな手を尽くして表現しても、すべて結果なんて伴わないというのに。
よっぽど何かしらの才能があったり、お金があったり、共感されるものがあったり、人脈があったりでもしたら別かもしれないけど、そういうのも全く無い人間なら壊滅的だ。悔しくても、この世界はそういうものなんだ。
できることなら、“この世界を攻略して理想の世界にしたい”。
いつからか、そう思い始めた。
だけどそんなことは、たった1人やちょっとの人間がどう願ったところで叶わない。所詮は落ちこぼれた負け組人間が描いた空想で終わられてしまう。そもそもそういう空想自体も、社会に適合できて生きているような人ならきっと普段から考えないと思う。
だからそんなふうに、毎日毎日大きな夢ばかり頭で描くだけで、身近なことに目を向けず大きな世界で物事を考えるような人間はその時点で、現実を生きていない社会不適合者になってしまう。
そうやって、今日もまた一喜一憂の繰り返し。
ただ空想したり好きなことをしているだけで喜んで、そうかと思えばイヤなことがあるたびに不満が募り、同じことを考え出す。そんな何の変化もない、いつもと同じ日々の繰り返し……そう思っていた────────。
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