マジカルスノーキャット
きゃっくん【小奏潤】
ep1 妖魔出現
「ゆっきー!!もうまた寝てる」
「
私は
苗字だから、雪鬼はしかたないにしても、名前に猫はないんじゃないかな、私の両親。
そして、今は6時間目の数学が終わったところだ。
起こしてくれたのは私の友人の鬼瓦 総司くん。仲はいいと思っているが、
実は最近これ、一方通行なのでは?と思っている。
なぜなら、鬼瓦くんは私を起こすと、すぐ別の友人の所へ行っている。
たまには、と思い鬼瓦くんを呼び止めてみることにした。
「鬼瓦くん」
「ん?何?ゆっきー?」
呼び止めたはいいが、何を話しかけたらいいかわからない。
「好きってなんだろうね」
「……好き……、そうだね、ボクは恋愛の好きは勘違いだと思っているだ。その他の好きは実際にあると思うけど」
「どういうこと?」
「例えば、雪鬼さんが彼、
「いや、それはないから」
「鬼瓦氏ー、なんか、いま、告白してないのに、雪鬼さんからふられたでごわす」
「ゆっきーはなんで今、権田原くんこと好きじゃないと思ったの?」
「え、だって、話したことないし」
鬼瓦くんが今、例え話に出した権田原くんはクラスでは目立たないというか、
半年以上このクラスにいたけど、今名前を知った、そのレベルの知り合いだ。
そんな男の子を好きになるわけがない。
でも、なんで、権田原くんってあんなにキャラ濃そうなのに目立たないんだろう……。
気になる。
「さて、ゆっきーの今の気持ち当ててみようかい?」
人に自分の気持ちを想像されて当てられたらある種、恐怖なのだが、
でも、鬼瓦くんの回答が気になる。そして、私の考えていることは、
権田原くんのキャラの濃さで何故クラスで目立たないかだ。
「当ててみて」
「権田原くんのキャラの濃さでなぜ、目立たないのか」
「そうだね、それが私の気になってる事だよ」
いったい鬼瓦くんは何を言いたいのだろうか?
そんなことを考えていた。
「総司ー、いつもの頼むわ」
そこに私を起こした後、いつもなら、すぐ合流する友だちから鬼瓦くんが声をかけられた。
なんだか、鬼瓦くんパシられてる……?
「鬼瓦くん、いつものって?」
「あぁ、ミルクティーとコーヒーのホットを持ってくるよう頼まれてるだ、夏場はアイスクリームも追加されるけどね」
「お金は?」
「もちろん、僕もちだよ」
正義感が溢れる私は思考回路にビビッときた。
彼らは鬼瓦くんをパシリに使っているのだ。
いや、これは正義感云々ではない。
きっと、彼らに何か弱みを握られて鬼瓦くんがそうしているんだ。
思わず腕を掴んでダメと言おうとしたけど、
ふと、私の中の悪巧みの心が名案を思いついた。
「私も着いていく」
結果としては着いていくことになった。
「今日はカップのにしない?」
「いつもカップだよ」
「そっか」
熱々のカップを持って教室に戻った。
そして、私は作戦を実行した。
カッブに入っていたコーヒーを鬼瓦くんをパシリに使っていた生徒にかけた。
すると、みるみる生徒の様子は変わった。
様子は変わった、そう、これが何するんだ!!と怒り叫べば私の計算通りだった。
しかし、男子生徒は異形の者、まるで妖怪のような姿になった。
目は1つ、体は緑。
周りにいた他の生徒をもしゃもしゃ食べていた。
「……なんなの、これ」
「妖魔……」
「え、鬼瓦くん知ってるの!?」
まぁ、と答えて鬼瓦くんは近くにあった机からサインペンを取った。
知っているならきっと、サインペンが弱点なんだろう。サインペンが弱点ってなんなの。
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