episode52 腹立ち

学校に戻ろうとすると、校庭に沢山人盛りが出来ていた。何が起きているのだろか?まぁ僕には関係ないか。

そうやってあまり人の密集していない所を通って学校に行こうとした。だが、少し進むと何故かは知らないが校庭にいた人全員に囲まれてしまった。

え?何?怖いッ!もしかしてこれ集団リンチされるやつ?混乱していると皆が一斉に話してきた。


「やっぱ朝の出来事、君だったの?すごーい!」


「なぁなぁ、お前の能力って何なんだよ?教えてくれよ~。」


「警察まで来てたけど、大丈夫そ?何があったの?」


ざわざわざわざわ……………………………。

一斉に話されて、僕はさらに混乱する。耳は2つしかないんですけど?!聖徳太子じゃあるまいし、、いや聖徳太子でも無理か。ってそんなことより何か大事な事を聞かれたような……。もし能力の事がバレていたら。そう考えるとやばいな…。

とりあえず、この状況を抜け出す方法だ。どうすれば……。

悩んでいると一つ、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「みんな、ルイちゃんが困ってるでしょ?後で色々聞きなよ~。」


「あ、海原さんだ!ごめんなさい!」


「ごめんね君。また話を聞かせてね!」


ごめんね、ごめんね、…………………………………。。

一斉に僕に誤ってきた。


「なんかこの雰囲気、僕が偉いみたいになってない?罪悪感がわいてくるな…。」


それでもこんな罪悪感も感じずに、悪事を働く輩は世にたくさんいる。差別、暴力、雑用……。腹が立ってきた。やはりあいつ等は殺すべきだったか。


「ルイちゃん?おーいルイちゃーん!」


「あっ、はい!」


「大丈夫そ?なんか怒ってた顔してたけど…?妹ちゃんに危害を加えられた時ぐらい。」


僕は海原さんに呼ばれるとやっと我に返った。さすがに伊藤カイトだけは許せなかった。あのクズの顔をもう見なくていい。そう考えよう。ポジティブ思考だ!!


「あっはい。少し考え事をしてしまって………。」


「あまりルイちゃんらしくないね。嫌なことがあったら私になんでも言ってね!さっ人込みも少なくなったし、教室に戻ろ!」


海原さんは僕のことを気遣いながら、手を取り移動していった。

やはり気になることがある。麗に危害を加えられた時ぐらい怒っている顔って……。よっぽどあのカスが嫌いだったのだろう。実際、麗にも危害が加えられたし敵同然だ。これからもこの気持ちは変わらずに過ごしていこう。


教室前で海原さんと別れ、教室に入った瞬間クラスメイトに質問攻めをされた。

約2か月前まで嫌われていた者とは大違いだ。すぐ裏切る。手のひらをクルクル回転させ、自分の有利な所へ行く。そんな人間の本能が出ているのだろう。別に嫌いってわけではないが、僕はあまり好まなかった。



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「伊藤は?」


「ボス……。それが…。」


「なんだ?言ってみろ。別にお前の命を取ったりはしない。」


「はい。警察に捕まりました。およそ25人がまとめて1人に立ち向かったんですが……、、負けて大人しく捕まったそうですよ。」


「25人が1人に負けた。ねぇ。記憶しておく。それで、あの巨人騒動の2人は今どこに?」


「牢獄内だそうです。今、スパイを向かわせ情報調査しています。」


「どいつもこいつも捕まってばっかりだな。クソが。まぁいい。警戒を怠るな。」


「はい、ボス。」


暗闇のとある部屋の中、2人の会話の幕が閉じた。

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