episode49 トラウマ

「おっはよ~!ってなんか今日学校ありの通知来てるし……。ねぇこれって私たちだけ休日なくない?」


「おはよ。まぁ午後は休みだったんだし、実質休日だろう。とりあえず朝食食べよう。」


僕たちは朝食を食べる。メニューは、パンの上にスクランブルエッグ、レタス、ハムを乗っけて、スパイスに塩コショウを振って挟んだサンドイッチだ。なんだか最近料理の腕が上がったような気がするな…。まぁいっか。

実際に食べてみる。……!!旨い!一つ一つの味がしっかり邪魔しない程度に目立っている。塩コショウもいい仕事を出している。少なくとも僕は完璧なサンドイッチだと思う。


「あ、このサンドイッチおいし~!塩コショウもいい味してるね!」


「ありがとうな。早く食べないと遅れるぞ?」


「お姉ちゃんよりちょっと遅いからいいもーん。へへっ!」


麗も口にあったようだ。よかったっ!僕は安心しながら朝食を食べ進め、完食する。

お腹も満足したところで僕は学校へ行く準備、教科書などを準備する。こういうの前日にはやらないタイプなんだよな……。まぁそのせいで忘れることあるけど。


「よしっ。行ける準備満タン。麗!言ってくる。」


「いってらっしゃい!」



ドアを開け広がる世界は…………、、

僕の知っている風景じゃなかった。家の周りに地面がところどころ割れてたり、コンクリートが盛り上がっていた。しかも周りの家が崩壊しているところもあった。逆に僕の家だけ大丈夫だった。これは巨人のせいじゃない…。じゃあ一体誰が…。


とりあえず能力を使い氷の道を作って歩く。200mぐらい先へ歩くと被害がなくなっていた。まるで境界線があるかのように。本当にどういうことだ………?



学校の前、かつてのトラウマ。僕はもう二度と見たくないような奴がいた。そう、伊藤カイト………。あいつが立っていた。


「よう小鳥遊。挨拶代わりだ。受けとれやぁぁぁぁ!!!!」


ドォォォォォォォォォォン!!!

激しい音と共にでっかいロケットランチャーが発射された。避けてもいいんだが、後ろには住宅街……。避けたら家が大変だ。ここは…、冷凍するか。


「包囲氷(オーバースプレイドアイス)。」


弾薬が僕に直撃する0.5秒前、能力を発動した。この能力は近接でないと使えない。相手を氷で包んで冷凍する。能力だ。まさに今の状況にピッタリの能力だ。

やがて弾薬は氷に丁寧に冷凍され、爆発もしないゴミと化した。


「て、てめぇ!もう一発っ!」


ドォォォォォォォォォォン!!!

再び激しい音が響いた。だが、また能力を発動してゴミにさせた。うるさいのはやめて欲しいものだ……。目立ってしまう。それとは逆に伊藤カイトはブチギレている。なんでぇ?!と本心で叫ぶ。いや本当にキレないで欲しんだがな。


「クソがっ!お前ら!全員で襲えっ!俺も援護するからよぉ!」


まぁ気づいていたんだが、影から伊藤カイトの下っ端?仲間?が出てきた。


「へへww流石に複数、人数がいたら対処しきれねぇだろ!お前ら行くぞぉー!」


「おー!」 「おらぁぁぁぁぁ!」 「うぇーいwww」 「やっちまえww!」


ヤバい…。どうすれば…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る