episode14 能力値EX

「……君には物凄く強い能力がある。」


「それは何ですか……?」


と俺は問いかける。俺が強い能力?どんな力なのだろうか。


「君には、全知全能(オールマスター)という能力がある。簡潔に言うと、ありとあらゆるもの全て出来る。そしてもう一つ、君の能力値はSを超えた存在である。……Sを突破した者、能力値EX。そう言っていいと思う。」


ん?なんか途轍もない力持っていないか?俺。後、能力値ってSが限界じゃないのか?


「そんな力が俺に……?」


「ああ。そして君の力は危険だ。世の中に晒されたら国が君を潰しに来るね☆だから絶対に発言しないことだ。私たちはこの約束を絶対に守る。」


「国が潰しに来る?!…絶対に言いません。」


さすがに国相手じゃ勝てないのは分かる。だから絶対にこのことを喋らないと強く決意した。


「うむ。それじゃあ帰って良いぞ。」


「失礼しました。」


と部屋を出て、階段を上る。

よくよく考えてみたら、マジでこの能力最強だな…俺の目の前にいる時点で相手の負けが確定してるのと同じだよな……。俺が死ねって言霊で言ったらマジで相手が死ぬもんな。だけどそもそも能力が使われないこと願うけど。

それにしても、能力、能力値EX……。これを誰にも言わないって、まず言う相手いねえよ!あ、妹がいるか。妹には話していいのか…?帰るまでに考えておこう。


そして教室に着く。もう1時限目の授業が終わりそうな時刻になっていた。

俺はすぐに着席し、先生に謝罪する。


「遅れてすみませんでした。先生に呼び出しされて、遅れました。」


「事情は聞いている。しっかりこの時間の学習を次の時間までにしておくこと。」


「はい、ありがとうございます。」


よかった。この先生キレると単純に怖いんだよな……。


そして、授業がサクサク進み、昼休み。俺はいつもの屋上に来ていた。今日も前と同じ先着がいたようだ。


「あ~!君~!」


「えーと、海原渚さんですよね?この前はありがとうございます。」


「全然!あいつら退学になったみたいだしw後、君に聞きたいことがあるんだけど。小鳥遊ルイって男の子知らない?」


困った。小鳥遊ルイって俺なんだけどな…。まぁクラスの人と先生にはバレてるし話しても大丈夫だろう。


「えーと、小鳥遊ルイは俺です。訳あって女の子になりました。」


「えええええええええええ!!!本当に?!じゃあこの前あいつらが関わっていたのって、そういうことだったんだ!」


「とりあえず理解してもらって助かります。」


と、俺と海原さんで弁当を食べながら話をしていく。


とりあえず女の子になったことに理解してもらえて助かった。色々話すと能力のことを聞かれるかもしれないからな…。

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