二人分の食事

晴れ時々雨

🍴

ただいま、と男の人が入ってきた。何故か合鍵を持っているらしく、チャイムも鳴らさずに勝手に家に上がり込んだ。つけ込まれてはいけないと驚きを隠し、悲鳴を飲みこんだ。この人、どうやら私の夫のようだ。そんな話誰が信じるというの。男は私の様子を心配して失礼なことを言う。顔色が悪いよって。反応しないのをいいことに私の額に触れようとした男の手を払った。

男は呆れたように、まだ怒ってるの、と言った。私は両脇に挟んだ手にぐっと力を入れて硬直した。そして男はそのままの私を引き寄せ、力一杯抱きしめた。私の抵抗を許さぬ力。男は自分の顔を使って上手く私の顔を上向かせ、唇をつけてくる。のけぞっても虚しく羽交い締めにされた私の唇は男の口に入る。一方的に塞がれた呼吸が苦しくて口をつけたまま喘ぐと、厚い舌が口の中に滑り込んで私の口内を弄んだ。私は抗うため、何とか手を胸の間に入れもがいた。でも彼は全身で私を覆いながら、いつの間にか回した手で私の頭を押さえた。その唇は熱を帯び、強く深く私を吸い上げる。漏れた唾液で汚れた顎を舐められると首すじが泡立った。彼は唾を溜めた口で私の口を塞ぎ、それをゆっくりと注入した。口の中に溢れた唾液が行き場を求めて喉奥に流れていく。私はようやく水にありつけた渇いた人のように喉を鳴らした。その、何もかもが混ざり合うときに生じる摩擦感に脳天が痺れた。すべてがどうでもよくなる瞬間だった。私は夫の髪を掴み胸に押しつけた。彼の熱い舌が乳房の上で滑り、何かを探り当てようと下りていく。突然下から乳房を握られて息が詰まった。だめよ、そんなことはしないでちょうだい。あなたの唇と舌とで私の先っぽに蓋をしなさい。はやく私の悦ぶことをして。あなたならそうすべきでしょう。でも彼は私を壁に押しつけ、硬いものを突き入れてきた。凄まじい衝撃が下半身から駆け上り、全身に伝わって留まる。ああ、これだわ。よかった思い出せて。夫のもたらす振動で、私とテーブルの上の料理が跳ねる。そうだ、こうして今朝も貴重な時間を使ったのだ。だからあたし、ゴミを出せなかったのよ。

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二人分の食事 晴れ時々雨 @rio11ruiagent

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