第7話 信仰豊かな街へ、出発進行! Part5
月に1度のイベント当日、夕方頃からイベントが始まろうとしていた。
街の人々は皆、神殿前広場に集まりだす。
「さあ、今宵も皆で楽しい夜を過ごしましょう!」
ニケニケの挨拶と同時に、賑やかなお祭りが始まる。
一方、汚物が放出される例の場所へ来たハラユキ。
街の人々が神殿前に集中しているため、思いのほか辿りつくのは容易だった。
そして、放出担当者らしき2人組が排出口を解放する。
「よし、ルミーラから貰ったこれを使おう!」
ハラユキは、何かを投げた。
すると、煙が出てきて、放出担当者を包み込む。
「う、う~ん・・・」
担当者は眠りについた。どうやら、睡眠効果のある煙幕らしい。
「よし、これのおかげで騒ぎにならずに済んだ。
後は、ここから神殿へと突き進むだけだ」
全ての汚物が流れ切ったのを確認し、いざ、侵入!
・・・と思ったら、
「く、くせええええええええええええええええええ!!!!!!!!」
そりゃそうだ。何とは言わないが、ありとあらゆる汚物が
入り混じったものが流れ出る場所だ。
当然、ケタ違いに臭い。
「うぅ、ここから行くしかないのか。もう、早くこんな仕事辞めたい(泣)」
(泣)なんていう古い表現も使いながら、ハラユキは神殿へと向かっていった。
長くて暗くて臭い道を通り抜け、ようやく神殿まで辿りついたハラユキ。
光が見えたのでそこを辿ると、立派なトイレに出た。
「やっぱ、こういうところと繋がっているんだな」
そして、トイレから出ようとすると、神殿の人と遭遇した。
「うわっ、くせええええええええ!!!!!」
ハラユキのあまりの臭さに、神殿の人は気絶した。
「おお、この臭さが思わぬ武器になった!」
良い武器になったのは有り難いが、同時に見つかりやすいというデメリットもある。
「いたぞー、臭い侵入者だ!」
「臭い奴だ、殺せー!」
「どんだけ臭せえんだテメーはー!!」
ハラユキは今、臭い人として認識されている。
その臭い人は、神殿の中央に向かって走り出す。
「ニオイ嗅ぎたくない奴は、俺に近づくなあああ!!」
モーゼの十戒のごとく、ハラユキを神殿の皆が避ける。
とにかく臭い。あぁ、臭い。
そして、神殿の中央に近づき、ニケニケがいるのを確認する。
「よし、ギャグ魔法で一気に暴れてやる!」
そして、炎のギャグ魔法をケツから一気に放ち、大きな爆発音が鳴る。
神殿中央はボロボロになり、神殿内は騒がしくなった。
しかし、相変わらずケツネタが好きだな。
「よし、後はオリビア達がうまく侵入出来ればOKだ!」
そして、異変に気付いたマスク男たちが中央へと近づいてくる。
「何事だ!?」
そして、近づいてくる気配を確認しながら、
マスク男達に向けて魔法を放つ準備をしていた。
「よし、もう一発同じ魔法をくわらせえて、一気に弱らせてやる!」
そして、マスク男たちがハラユキの目の前に現れる。
「お前は、あの時の!?」
マスク男が驚いた表情をする。
そして、ハラユキは魔法を放とうとする。
「ドッカンドカドカ今日はすごいよ、おならがいつもの人一倍♪
火力も威力も追い打ち追い打ち、爆発気分で・・・」
しかし、そこには口と手を塞がれた、トキアが目の前にいた。
「ケツ、ストップスト~ップ!!」
慌てて魔法を止めるハラユキ。ギリギリセーフだったが、
肛門を少しつった。
「貴様1人か?こんなところへ何しに来た」
かなりヤバい状況だが、弱気になっては相手の思うツボと判断した。
ハラユキは、強気に攻める。
「決まってんだろ、お前らを滅しに来たんだよ」
「ずいぶんと強気だな。とても出来るとは思えんが」
マスク男の言う通り、とても出来る状態では無い。
しかも、トキアが目の前で人質にされている。
「おい、トキアをどうするつもりだ?」
「この娘か?こいつは俺のツテで買い手があるんでな、
そこに売って、たっぷりとかわいがってもらうんだよ。
少々ガキだが、こういう需要もあるんだよ。一部の人間にはな」
ハラユキの怒りはMAXになった。
ここまで怒りを露わにすることは初めての事だった。
が、トキアを人質に取られている以上、何も出来ない。
「さて、お笑い芸人君。君は色々と知りすぎたな。
貴様は売り物にならんし、ここで死んでもらうとしよう」
そして、マスク男が近づき、ハラユキに強烈なパンチをくらわす。
「ぐあああ!!!」
すさまじい痛みが、ハラユキを襲う。
「おいおい、お楽しみはこれからなんだ。すぐに死ぬなよ」
マスク男は、じっくりいたぶってハラユキを殺すつもりだ。
ハラユキは、何度も何度も殴られ蹴られ、ただひたすら耐えている。
「く、くそ、どうすれば・・・」
絶体絶命のハラユキ。
そんな時、不思議と奇跡は起こるものなのである。
マスク男に殴られそうになる次の瞬間
ぶおおおおお!!!
ハラユキのケツから火が溢れた。
「あ、あつい!」
「ぐあー!」
「しかも、くせぇー!!!」
さきほど、急遽止めた炎の魔法が中途半端に残っていたため、
それが噴射したようだ。
しかも、くさい。
だが、そのおかげで熱さと臭さがマスク男を襲う。
「ぐああああああ!!熱い!臭い!なんだこれは!!?」
マスク男はもがき苦しむ。
「何をした貴様!?」
「さあね。ケツからオナラしたら、火という追加オプションが
たまたま付いてきただけさ!」
カッコつけて言っているが、絵面はかなりひどい。
マスク男がもがき、パニくっている状況を利用して、
捕えられていたトキアを奪い取った。
「し、しまった!」
少しだけ、ハラユキに流れが来た。
しかし、まだまだ厳しい状況である。
「何とかトキアを救い出したけど、ここからどうすれば・・・」
すると、神殿入口の方から爆発音が聞こえた。
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