不本意でチートギャグ魔法を手に入れた底辺お笑い芸人、超ドS美女剣士に開発されそうになりながらも世界を救う!!
霧島 翔
理不尽クエスト編
第1話 一流芸人を目指す者 Part1
大都会ダイヤモンドタウン。
ここには、大きな劇場がある。
演劇、音楽、ダンスなど、さまざまな催しが連日行われている。
「本日3本目の出し物は、いつか笑いの神様になりたい男、ハラユキの登場だ!」
司会者の力強い紹介で、人々を笑わせるスペシャリストになろうと頑張る男、
ハラユキが登場する。
「はいはいやってまいりました、天下のお笑い芸人、ハラユキで~す!
今日はビシっとスーツ姿でやってまいりました!
パンツは履いてないないけどね~!」
会場は静まりかえる。
彼が面白くないから?
いいえ、この会場に来る客は、イケメン俳優や美人女優、かわいい踊り子などを
目当てに来る客がほとんど。
お笑い芸人など、眼中に無い。
しかし、めげずに笑いを取ろうと必死でギャグを披露するも、
客からは嫌な顔をされ、
「もういい、帰れよ!!」
といった、ブーイングも飛んでくる始末。
ハラユキの出番は終わり、楽屋へと帰って行く。
「よう、大爆笑は取れたか?」
ハラユキに声をかける男、それは大人気舞台俳優のアンポニーだった。
「ま、まぁこれからだから!小さな事からコツコツとだから!」
と、うろたえながらも言葉を返す。
「頼むからちゃんと温めてくれよ、俺が尻拭いみたいになるは嫌だからな」
このやり取りに。周囲のスタッフ達からクスクスと笑い声が聞こえる。
が、いつもの事であり、ハラユキは気にしない事にしている。
「じゃ、俺の出番だし、客を酔わせてくるかな」
アンポニーが舞台に上がり、いつものように観客から大きな歓声が飛ぶ。
「キャー!アンポニー!」
「アンポニー様さいこー」
「アンポニー愛してる!!!」
女性達の黄色い声援が耳を塞いでも聞こえる。
ぶっちゃけ、羨ましいと思うハラユキ。
いつかはこれくらいの声援を浴びたいと夢を見ていた。
しかし、夢を掴む事は決して甘くは無い。
人を本気で笑わせる事は、東京大学へ入るより難しいと言われている(※諸説あります)
人々を笑わせる事で、人々を心から幸せにしたい。
そんな思いとは裏腹に、ハラユキの評価はドン底を辿っていた。
「おい、今日も大盛況だったなw」
嫌な笑顔を見せながら、嫌味を言うアンポニー。
「そ、そりゃあもう掴み技術は上昇気流だよ!」
強がって返すも、周りからクスクスとバカにしたような笑い声が聞こえてくる。
「ハラユキ、いいこと教えてやるよ。世の中が求めているのは笑いじゃない
カッコよさ、美しさ、コレに尽きるんだよ。
笑いで人々を幸せにする?
誰も求めていない事で喜びはしないんだよ」
お笑い芸人に対する、差別とも取れるような事を言われるハラユキ。
「いや、待てよアンポニー。人が笑うというのは、とても幸せな瞬間なんだよ
笑う門には福来たなんちゃらとか言うだろ?」
この反論に対し、少しイラっとするアンポニー。
「じゃあハラユキ、人々が笑えばいいんだろ?」
「そ、そうだよ」
「なら、次の公演では俺が協力してやるよ。俺の協力があれば、
間違いなく大爆笑取れると思うぜ!」
アンポニーから思いもよらない提案が来る。
「ほ、ほんとか?」
「あぁ、本当だ」
嫌な奴とは言え、ハラユキにとって大人気俳優とコラボ出来るのは
一気に評価を上げるチャンスだと考えた。
「な、ならよろしく頼む!ネタは俺が考えるからさ!」
すると、アンポニーは
「いや、いい。ネタは俺が考える。お前は俺の指示に従え」
芸人でも無いアンポニーがネタを考える。
とてもネタを作れるとは思えないのだが・・・
「わ、わかった。じゃあ、まかせるよ」
ハラユキも納得できない気持ちではあったが、
千載一遇のチャンスと切り替え、気持ちを押し殺した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます