第13話

 あー、どうしよう。このままだと悪役令嬢として破滅してしまう。ヤバい、それだけは避けます。でも、どうやって。あーもー! 早く思い出せないかしら? うーん、どう考えても思い出せない。この乙女ゲームの内容を。あ、ハンナがやって来た。どうして?


「ハンナ? どうしたのかしら?」


 私はニコニコして話しかけた。決してニヤニヤはしていない。


「あの、ヴィクトリア? 自分に正直になりましょう」


 はい? なんなのかしら?


「えーっと、ハンナ? どういうわけかしら?」


「ヴィクトリアは悪役令嬢のままでいいの?」


 そんなのいいわけないよ!?


「あの、ハンナ? 私は悪役令嬢になんてなりたくない」


「それならば、ヴィクトリアと私は友だちになれますか?」


「もちろん、私はハンナと友だちになりたいんです!」


 すると、ハンナは笑顔で私の手をにぎってくる。


「ヴィクトリア、私は貴女の味方だよ?」


 あ、ハンナは天使だ。あーもー! 私が乙女ゲームの内容を思い出せないばっかりに! でも、ハンナがそう言ってくれるなんて嬉しい☆


「ありがとう、ハンナ」




続く

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