マ法少女キュアにーと
海老天
第1話やはり金
青白い光と赤が目に染みる。
ディスプレイに映し出される映像は赤黒く正気度をガンガン下げるのだが男は気にせずマウスを必死にクリックする。
画面の中ではギュリギュリという機械を響かせ有象無象を切る男の姿。
赤いゲージがどんどん少なくなって男の苛立ちと焦りが溜まってくる。
そしてついには無くなり、赤い文字で「You dead」と表示され暗転する。
男は椅子に身を放り出し目を擦る。
そろそろ寝ようと椅子を立った時PCに人型のアイコンが表示される。
眠気が頂点に達した男はPCの電源を消すことも何故か現れた画面に気づくこともなくベ
ベッドに横たわり眠る……男はその判断を起きた後に後悔することになるとは知らずに……
妙に体が重い、と言うよりか腹になにか乗っている。
目をいきなり開けてはいけない気がしたのでうっすらと目を開き確認する。
身長は30cmぐらいかぬいぐるみのような体のサイズだがぬいぐるみににつかない重み、大きめの頭にはハットを被り顔はペストマスクのようなものを被りスーツを着ている手には 杖を持ち起こすためか杖を振るい俺の腹にうち付けようとする姿はシュールだが……
「いったぁ!?」
「む?起きたカ少年?」
小さい癖にその杖の一撃は、馬鹿みたいに痛い。
「何が起きたか?だよ!永遠に眠るぐらい痛てぇよ!」
「すまんな手加減は苦手でナ……っ」
こ、こいつ俺をぶっ叩いて笑ってやがる……!!
とりあえず憎しみを必死に抑えこの謎生物に1番聞いておかねばならないことを聞く。
「誰だよおめぇ!?」
当たり前のことだが俺はそもそも体長30cmの知り合いなんて居ない……いやそもそも知り合いなんていないが……悲しくなってきた。
「サポートに来たのだよ君のネ?」
「サポート??」
こんな不思議生物にサポートされるようなことなんざしてないんだが??
「そう!君の、いや魔法少女のサポートのために来たのサ!」
まほうしょうじょ???
マホウショウジョ???
魔法少女!?
「はぁ〜!???」
あまりの衝撃、そして言葉の暴力により俺は……
考えるのをやめた
30分後
「なんで魔法少女なんだ?俺が?俺男だし無理なのでは??」
「魔法少女に男女は関係ないヨ!どうせ肉体作り変えるワケだし元の肉体を参考にする程度、どうせ文化ってだけだから君ほどの適性ならイケルサ!」
なんかやべぇのが聞こえた気がするんだが……?
「ん?あれ?じゃあなんで魔法少女なんだ?別に少女である必要無くね?」
そう、そもそも体改造する上に肉体構造的に改造しやすく頑丈なのは男なのだならば別に少女である必要は……
「性癖サ!」
性癖……???
「あどけない少女を助けるのとむさい男助けるのどっちがいいかダヨ!」
あっあぁ……
シルクハットを被った小人はケラケラ笑う。
「まぁいいじゃないカそんなことは君はこれから魔法少女サ!おめでとう!」
ん?
そういえば、なるなんて一言も言ってないんだが??
「君が寝てる間に契約を結んでやったのサ!」
「うげぇ……」
「まぁまぁ別に君にメリットがないわけではないのサ」
変なマスコットは俺に魔法少女として活動をして欲しいからか説明する。
一つ金が稼げる、これが一番魔法少女になるメリットだろう。
まあ、マスコットいわくこれで魔法少女になるのは珍しいらしい。
そりゃ10代の女の子に金で釣ってもだろう。
いわゆる出来高制らしく強ければ強いほど儲けられるらしく差がすごいらしい。
魔法少女も世知辛いな……
二つもう一人の自分になれる、効果は人に因るが見た目が180度変わる子もいるとか。
例を見せて貰ったがどう見ても陰な子が元気いっぱいな陽な子になっておりこれが現実だとしたら非合法なものを使っているとしか思えない……
三つ俺に向けてだろうがゲームのような体験ができるとか。
正直ゲームはゲームだからこそいいのだが……
結果俺は魔法少女になってみることにした。
変身するのに必要なアイテムもことばも無く念じればいいらしい。
個人的に寂しく感じるのだが取られたり咄嗟に変身できないのは非効率だからとオミットされているらしく他の魔法少女にはあるらしい。
背丈も小さくなり男のアイデンティティも無くなったが不思議と力が湧いてくるような感じがするマスコット曰く実際に力が強くなっているとのこと。
ここでは魔法少女としての力が試せないので早速移動する。
時刻は午後2時の公園、人は多くは無いが普通にいる中俺はパステルカラーの衣装に身を包んだ少女の見た目でいる。
明らかにアレな服装だが気にする人はおらず周りには見えていないようだ。
「さて今から君には魔法少女としての武器を出してもらうネ」
これまた念じればいいらしく人によって形が違うらしい。
想像するのは最強の武器……
大剣のようなサイズ、縦長の素体にギザギザとした突起が付いたフォルム、空気を震わす重低音響かすエンジン音。
こ、こいつは……チェーンソーじゃねぇか!?
いつからチェーンソーは武器になったのか不思議なものだが妙にしっくりくる重量と安心感、そこらのナイフや銃器なぞより殺意を感じる。
マスコットは……木の陰からこちらを伺っている……。
「や、やばすぎるネこ、こいつ……」
「みんなこんなやつなのか……?」
「そんなわけあるカ!?魔法少女の武器はその子心象によるネ!物騒な奴なんてごく少数、大体は短い杖ネ……」
マスコットは木の陰から出ながらそう吐き捨てる。
その後、怪物の探索方法やら報酬金の引き出し方などを聞いた。
「まあこれでチュートリアルは以上ネ、なにか質問はあるかネ?」
「ないならいいネ。あ!そうそう他の魔法少女にバレないようにネ?君は特別製だから」
えっ
君には期待しているよ?多田野 仁斗くん。
そう言うとマスコットは、もともといなかったが如く消えさった。
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