第99話 僕の事、、、
えっ?、マリトちゃん、今、お嫁さんって、言った?
、、、、えー!、私、、、、だって、お姉ちゃんよ?、そんな、急に!
とりあえずマリトちゃん、そういう大事なお話しは、お洋服着ている時にしましょうね(汗)!
私も、胸が大きくなってきていたから、マリトちゃんが私の胸を見る度に、これは「食欲」かしら?、「性欲」かしら?、と随分悩んできたけれど、、、
マリトちゃんは、早くにお母さんと別れてしまったから、ママのおっぱいが欲しいのかという「食欲」の線かなーって思っていたけど、、、、
「性欲」の方だったー!。
なに?、なんなのこのシチュエーション!。
私だって、マリトちゃんの事は大好きよ、でも、、、、
私の旦那様の席は、、、、ラジワットさんのために、取っておきたい。
それでも、そんな不安そうな目で、私を見ないで!。
段ボールに入った捨て犬みたいに、私を見つめないで!
そんな目をされたら、胸が苦しくなる。
私がマリトちゃんに向ける「好き」は、お姉ちゃんのや、お母さんの「好き」であって、妻の、ではないのよ。
それでも、、、、
この、ラジワットさんとは真逆の、白魚のような細い線、色白な肌、痩けた頬、自信なさそうな素振り、、、ある意味、それはとても美しいと感じる、、、、こう言うのって「妖美」って言うんだっけ。
もう、守ってあげたくなるのよね。
これは初めての感覚だわ、私、基本的に男性は大きくて頼りがいのある人が好みだと思っていたから、マリトちゃんを見ていて感じるこれは、正直意外。
何でしょう、、、?、背徳感なのか、マリトちゃんと向かい合っていると、とてもいけない事をしているような気持ちになってしまう。
ましてや、今二人は裸で向き合っている、マリトちゃんの、少し恥ずかしそうに片腕を前に組んでいる素振りが、とてもエッチに思えてしまう。
「、、、、、お姉ちゃん」
マリトちゃんが、私の方へ近付いてくる。
決して嫌ではないのだけれど、、、、、ないのだけれど!!!、とても緊張する。
マリトちゃん、、、、?
えっ?、何をする気、、、、ちょっと!。
食欲?、性欲?、食欲?、性欲?、食欲?、性欲?、食欲?、性欲?、食欲?、性欲?、、、、、
マリトは、幸の両腕を、包み込むように優しく触れると、そっと抱き寄せた。
「マリトちゃん!、ダメよ、私たち、今、、、、、裸なんだから、そんなことしちゃ」
「僕、知っているんだよ、好き合っている男と女は、こうやって、裸で抱き合うんだ」
ずっと入院中だった割には、一体どこでそんな知識を身に着けて来るのやら!
そして、マリトは、幸の頬と首の間付近に、とても控えめなキスをした。
ちょー、!、ちょっ、ちょっ、、、、近い!、そこは、際どい場所に、とーっても近いから!。
「マリトちゃん、もうわかった、わかったから、ちょっと一回やめようね」
「どうして?、お姉ちゃんは僕の事、、、、、好きじゃないの?」
、、、、これは、困ったなあ、、、もちろん嫌いな訳はないんだけど、、、。
「あのね、マリトちゃん、、私だってあなたの事が大好きよ、でもね、いきなりこんな事されたら、いくら好きでも、嫌いになっちゃうかもしれないでしょ、お姉ちゃん、マリトちゃんの事、嫌いになりたくないの」
そう言うと、マリトはスッと手を引き、再び足を内股にモジモジさせながら、弱々しい態度を取った。
普通の男子なら、気持ち悪いと思うのだろうが、こんな事の後だから、その仕草でさえ、異様に官能的に感じてしまうのである。
マリトも、幸の事が好きすぎて仕方がないのだろう、「嫌われる」と言うキーワードには、デリケートなようだ。
その後、二人は無言で入浴を終えるのであった。
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