きみが死んでいてくれれば今も愛していたのに
@kerorikku
きみが死んでいてくれれば今も愛していたのに
きみはまだ生きている
きみを信じられない
「ぼくにはきみしかいない」
そんなわけがない
きみじゃなくてよかった
たまたまきみだった
ことばをつくした
得られないものもあった
一時的なものだったか
ぼくがわるかった
何ものこらなかった
何を得たのか
きみが死んでいたのなら
しあわせだっただろう
死んでいないきみがにくい
昔のきみに恋い焦がれている
昔のきみはもういない
どこにいったのか
きみの顔を見ると吐き気がする
きみを返せ
きみのことははじめからすきじゃなかった
きみもぼくのことをはじめからすきじゃなかった
きみはぼくを知らない
幼稚だった
知ろうとすることもなかった
きみは死んではくれない
きみを見ようとはしなかった
きみのことが嫌いだったから
きみはきっと死ぬまでわからない
きみは仮初めのぼくを愛していた
きみを愛してなかった
ずっと愛せなかった
愛そうとした
ごめん
きみが死んでいたら愛だった
ただの戯れになった
きみを失った
きみを失った自分が可哀想で
きみのことはどうだっていい
きみの幸せが願えない
きみが死んでいてくれたなら
ぼくはそれを恥じて
後悔して
生涯の愛を誓うだろう
そんな愛なんていらないだろう
だから死んでいてほしい
だから愛せない
きみが死なないことはわかっている
きみには得られない
得てほしくない
愛していたかもしれない
きみはもうぼくの愛は不要だろう
きみのことはもう必要ない
きみは死んだ
きみはもういない
きみごときに
きみなんかに
きみのような人間に
ぼくはわらう
きみがいてくれてありがとう
ぼくのそばにいてくれて
あのかけがえのない日々は
永久に存在しない
失われたからかけがえがない
べつに綺麗なものじゃなかった
ごめん
本当に
きみをずっと愛せなかった
ぼくは次のきみを愛す
きみが死んでいてくれれば今も愛していたのに @kerorikku
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