DM秘密にしてね(秘密)

岩田へいきち

DM秘密にしてね(秘密)

『あのさ〜 利香がいつも綾斗のこと見てる事、誰にも言わないでくれる。だってさぁ、綾斗って人気あるじゃん。利香が綾斗のこと好きだってバレたら、利香、絶対イジメられる』



「誰? 利香って母さんと同じ名前だし」



『えっ、綾斗のお母さんも利香っていうの? 偶然。でも字は違うでしょ?』



「一緒だし。だから誰?」



『3組の利香』



「いたっけ? そんな子」



『いるから綾斗のことフォローしてるんじゃない。利香がDMしたこと秘密にしててね。綾斗の1組にいるあの女、名前なんだっけ? そうそう、ひろみ、あの子に見つかったら殺されそう。だから絶対秘密だからね』



「ひろみ? ひろみなら居るけど、あいつそんなに怖いのか?」



『そう。見た目は可愛くしてるじゃない。でもあれはウソ。ぜ〜んぶ ウソ』


 

「なんで、ウソなんだ?」




『これも秘密にしてほしいんだけど、あの子、わら人形大量に買ってた。誰か体調崩して休んでる子、1組にいない?』



「いたような気がするなぁ。わら人形とか売ってるところあるのか?」



『これも秘密にしてくれるなら教えるけど、そんな魔力買わない方がいいよ。ハマっちゃう。駅裏のうどん屋さんのところから入って5軒目を右に入れば直ぐにある』



「やけに詳しく教えてるじゃん。効くのか? 買わないよ」



『あの子、そうやって、綾斗に近づく女たちをわら人形で呪ってるの、最低よ。だから近づかないし、利香が綾斗にDMした事も秘密にして。利香も呪い殺される。綾斗には誰も近づけないし、誰も近づけさせない』



「だから俺に彼女出来ないのか。知らなかった」



『そう、そう。綾斗に彼女が出来ないのは、あの女のせいよ』



「そうだったのか。そう言われたらそんな気もするな。全然彼女出来ない」



『ウソばっかり。綾斗彼女出来たって言ってたじゃない』



「てか、お前誰だよ? そんなこと言ってないし」



『ひろみと付き合うことになったって』



「ひろみ? それは俺の夢だよ。俺に振り向くはずねぇよ。てか、やっぱりお前誰だよ? 体調崩して休んでるのひろみだよ」



『ええっ? ひろみと付き合ってんじゃなかったの? いやだ、わら人形のこと秘密にしておいて』



「母さん?」




終わり

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