私達の世界は嘘で出来ている
姫宮ゆき
第1話 嘘の仮面
「嘘」
それは悪にもヒーローにもなれる魔法の言葉。
泣いている人のためにかける優しい嘘、嫌いな人に言う悪い嘘
そして自分を守るための嘘
【私達の世界は嘘で出来ている】
「あ!美優来た。おは〜。」
「おはよう〜」
「美優聞いてよ〜紗奈たちが私のこと虐めてくるー!」
「どうせまた真紀がなんかやらかしたんでしょ。」
「別に何もやってないし!」
「何もやってないのが問題なんだって!今日提出の英語の課題あんなにやったか聞いたのに、何にもやってなかったじゃん。」
「やっぱり…」
「お願い!優しくて美しい美優サマ〜、私に情けを〜」
「はぁー、はいはい、次はちゃんとやってきてよね」
「やったー!!ありがとう!美優大好き〜」
「美優ほんと優しすぎ!もっと真紀には厳しくしないと!」
「ちょっと!何で私だけなのー!」
『あはは』
(あー、消えたい。)
「あ!玲央君来た!!」
「本当だ!超カッコいい〜」
「おはよう!玲央君」
「おはよう。斉藤さん」
「笑顔の破壊力やばい!!」
「本当かっこいい」
「目覚めた!」
(また始まった…)
「あーまじかっこいいよね、しかも頭も良くて」
「運動神経も良くて」
「性格まで良い」
「ほんと超優良物件!」
「美優もそう思うでしょ!」
「うん。かっこいいよね」
(はぁ、本当にいつ見ても完璧。悩みなんてなさそうな笑顔、、羨ましい)
「彼女とかいないのかな」
「部活もやってないしね。放課後って何してるんだろ」
「はい、席着いて!HR始めますよ」
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