【三題噺 #52】「告白」「正直」「無名」(414文字)
こぶしは噓をつかない
彼女の「お願いだから正直に言って」の言葉に従って、僕は思っていたことを言ったら彼女に頬を殴られた。……いいパンチしてる。
僕は頬をさすりながらさっきの出来事を思い返していた。
クラスの女子に呼び出されて知らない女子と対面し、告白されたのだ。
なぜ僕なのか疑問に思う。うちの高校は一学年五百人近くいる。部活や委員会、勉強、イケメンなどで有名なら知らない女子に告白されても不思議ではない。でも僕はそういう男子とは違い無名な一般生徒だ。
たまたまそんな僕を見つけ告白してくれたのは嬉しいが、彼女はダメだ。可愛いがダメだ。僕は断った。
「どうして断るのか教えて。お願いだから正直に言って」
「ごめん。君のことはとても可愛いと思う。でも、僕の好きな可愛さとはちょっと違うんだ」
アイドルの名前を出したら殴られた。軽いが本当にいいパンチだった。
どうしよう、僕から彼女に告白し直そうか。彼女のパンチに惚れたと言ったら、彼女は何と返事をしてくれるのだろうか。
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