鴨居に並んだ遺影の中に肖像画がいくつか混じっている、不思議な出だし。奇妙な謎の提示に否応なく興味を惹かれます。そして従兄弟とのエピソード。写真にうまく写らないという理由で代々、その人の遺影は肖像画。展開は謎解きではなく、どこか飄々とした雰囲気で、それが逆にとても奇妙な味わいに感じました。短い物語でキレのあるラストまでひと息に読みました。おもしろかったです。

短いのにキレがあってぞっとさせられます。最後の一文を読んだときには、思わず感嘆のため息をついてしまいました！