転生したらお布団だった~彼女に「お布団と結婚したい」と言われてショック死したら、いつの間にかお布団に!?~

智代固令糖

第0話 俺だって君のお布団に生まれ変わりたい

//SE すずめのさえずり

(カーテンから漏れ出す光がベッドの中の二人を照らしている)


(寝惚けまなこをこすりながら)

「――ん、おはよ。まーくん」


「今何時ぐらい?

 ――にゃーっ、そんなに寝てたかー」


//SE 背伸びをした時の布擦れ音


(あくびをして、見つめ合いながら)

「ねぇ、ぎゅってして?」


//SE 抱きしめた時の布擦れ音


(猫のように手を丸め、嬉しそうに)

「へへへ、今日も一日生きていけそう」


「――今日の授業? うーん、私は欠席しようかなー」


「だって、あの教授ちょーっと出席遅れただけで、めっちゃ怒るんだもん。

 私だって遅れたいわけで遅れてるんじゃないのに」


(頭を彼氏の胸にすりすりしながら)

「ねぇー、頭よしよしして慰めて~」


//SE 頭をなでる音


「――やっぱり、私まーくん大好き!」


//SE 抱きしめる時の布擦れ音


「私のこと一番分かってくれるし、一番私のこと大好きでいてくれるし、私のこと一番甘やかしてくれるもん」


(少し俯きながら、悲しげに)

「私ね、まーくんがいてくれなかったら、多分生きていけなかったと思う」


「大学だと、女の子も男の子もみーんな私のこと避けてるし。

 いや、気遣われてるのかな?」


「バイト先はみーんな私に雑用ばっかり押し付けてきて、私のこと邪魔扱いするし」


「家族も親戚も、私より妹のほうばっかり構ってさ……」


(声のトーンを落として)

「私、死のうかなって思ったこともある……」


(わざとらしく声のトーンを上げて)

「でもね、私この大学選んでほんとーに良かった」


(上目づかいで)

「だって、大好きな人が見つかったもん」


「今日はね、まーくんと一緒にやりたいことがあるの」


「それはね……」


(唇にほんの少し触れるだけの軽いキス)


「夜までずっーと、チューしない?」


「――したいけど、今日は出席しないといけない授業がある?」


「いーじゃん、まーくんは無遅刻無欠席の優等生なんだから、適当に理由つけて休んじゃいなよ」


「――面白い授業だから、受けたい? ……えー、それって私とチューするよりも楽しいの?」


「…………」


//SE 彼女がお布団を勢いよく自分に寄せる音


(少し意地を張ったように)

「わかった! じゃあもう私、今日はお布団と一緒に過ごすから!」


「まー君は一人で授業を受けたらいいじゃん」


「もう知らない! 勝手にしてよ!」


「私、将来はお布団と結婚するから!」


//SE ばたんっ! と何か大きなものが倒れる音


「え? ど、どうしたのまー君?」


「具合悪いの?

 あ、あれだよ。別にまー君のことが嫌いになったとかそんなんじゃないよ!?

 ねぇ、返事してよ、まー君! まー君!」


//SE 救急車のサイレン音


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0話と8話はつながっています。

すぐに結末を知りたい方はぜひ。

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