大盤振る舞い

見鳥望/greed green

「こっくりさんやろうぜ」


 今時こっくりさんだなんてと思いながら僕は輪に加わる。


「10円玉じゃなくてさ、500円玉の方がすっげぇ事起こるんじゃね?」


 平太の言葉に「やだ怖いよー」「やばいよ」なんて皆が口々に言いながらもどこか皆楽しげだった。僕もおもしろそうだなと思って指を置く。


「「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください。もしおいでになられましたら『はい』へお進みください」」


 指を置いた僕達はこっくりさんに呼びかける。その瞬間、


『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』『はい』


 鳥居と『はい』を500円玉が物凄い勢いで反復した。


「まぁ、給料50倍だからな」


 平和は冗談で笑い飛ばそうとしたっぽいが、明らかに顔は引き攣っていた。

 そんな事より僕は、これどうやって終わらせるんだという事で頭がいっぱいだった。

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