第6話 龍

 やばいな、これ。


 龍がこっちを見ており、動けない。


 いろいろな記憶が流れていく。


 ああ、これが走馬灯か。


 《経験により思考加速を獲得しました》


 今、スキルが増えても現状は変わらないよ。


 「貴様は、ふむ、異世界人か。元といった方が正しいか。人間が魔物に、それも卵になるなんて珍しいな」


 こいつ、何故俺が異世界人と分かった?鑑定したのか?


 「ああ、そうだ。貴様の事を見た。ゴブリンを倒したモンスターエッグを見に来たんだが何とも珍しい者に出会った物だ。我も久しぶりに驚いたぞ」


 珍しいから見に来たと、なるほど。


 「進化までもうすぐか。驚かせた詫びに死にかけのゴブリンを持って来よう。なに、貴様が何に進化をするのか興味ができたからな。すぐに戻ってくる」


 ふぅー、死ぬかと思った。


 まじで怖かった。


 人間の頃だったら、悲鳴を上げて失神してたな。


 お漏らしもついでに。


 そういえば、龍は異世界人が卵になるのは珍しいと言ってたな。


 他にも異世界人がいるのか?


 勇者召喚みたいに呼ばれたりしているのかな?


 それよりも進化させてくれるのは、ありがたい。


 そうこう考えていると、龍が10数匹のゴブリンを掴んで戻ってきた。


 「このくらいあれば足りるだろ」


 そう投げ捨てたゴブリンは手足が無く、失神していた。


 なんでここまでしてくれるのかを聞くと。


 「詫びもあるが、異世界人の話は面白い。物語やうまい料理の事を聞きたいからな。この世界は異世界と比べるとつまらんからな」


 そんな理由でと思ったが、ラノベとかでもこういった事があるなと自己完結した。


 早速、ゴブリン達を倒すか。


 ゴブリン達に体当たりを繰り返し、LevelがMaxになった。


 「進化ができるようになったか。どんな魔物になるのか、早くしろ」


 龍がせかしてくるのに、うんざりしつつ進化項目を確認した。


 《進化先は4つです。

  キメラ ?ランク(変動あり)

  昆虫種、動物種、魚種、スライム種等様々な種族の遺伝子が集まった生物

  遺伝子を取り込まないとその種族の体質や能力は使用できない


  幼龍 Dランク

  龍種の幼生体 


  天使(下級) Dランク

  最下級の天使 


  悪魔(下級) Dランク

  最下級の悪魔

  

  以上となります》


 

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