第11話 もうちょい番外編 1993年エジンバラ日帰り鉄道旅行前編

 番外編も、今回で本当におしまいです。本当です。


 と言って書き始めのたのですが、思いのほか長文になったのであと2回になりました。ごめんなさい!


 前回1990年のリバプール行きの「鉄旅」について書きましたが、今回は1993年のエジンバラ行きの「鉄旅」について書こうと思います。1993年1月19日(火)のことです。当時の断片的なメモと写真とかすかな記憶に基づくので、記憶違いについてはご容赦願いたいと思います。


 スコットランドの中心地、エジンバラは一度行ってみたい所でした。「エジンバラの騎士」と言えばBay City Rollersのファーストアルバムの邦題ですが、BCRの聖地は多分ないと思うので、とにかくスコットランドという地を見てみたいという気持ちで行った旅です。


 実はこのエジンバラ行き、日帰りです。この旅行が飛行機とロンドンのホテル代込みのパックだったため、ロンドンのホテル代がもったいなかったからです。それに、ロンドンからエジンバラまでの直線距離は約533㎞。東京から岡山までの直線距離が約542㎞なので、だいたい同じです。東京から岡山くらい日帰りしますよね。新幹線なら3時間ちょっとなので。


 え、当時のイギリスには新幹線のような高速鉄道はない?

 とにかく、出発してしまいましょう。


 ちなみに、当時ヒースロー空港で両替したときは、1ポンドは約219円でした。このあと急激に円高ポンド安が進んだので、ちょっと損(?)をした時期ですね。


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 ロンドンのホテルを7時半に出発し、King's Cross駅でエジンバラ(Edinburgh Waverley駅)行きの切符を買う。ロンドンからエジンバラへの運賃は定価が片道61ポンドなのに対し、今日は往復で59ポンド(約12,900円)。3年前のリバプール行きが定価だったのに今回は割引が効いた。一番安いと往復29ポンドまで下がるらしい。不思議だ。


 列車は8時ちょうど発のGlasgow Central駅行きのInterCity 225。SCOTTISH PULLMANという愛称が付いている。InterCity 225は3年前に運行を開始した新鋭の列車で、クラス91電気機関車+マーク4客車9両+マーク4制御車という編成。おそらく2等車に乗ったと思われるが、写真を見る限り、3年前のリバプール行きの車両よりよいシートになっている。


 定刻8時にKing's Cross駅発。発車して10分も経つと人家が途切れる。


 9時50分、York駅着。大きな街のはずなのに、駅の回りにはほとんど何もない。街外れに駅があるのだろうか。ここにはイギリス国立鉄道博物館がある。前回イギリスに来たときに勘違いをした「ロンドン交通局博物館」とは異なる、正真正銘の鉄道博物館。一度行ってみたいが機会はあるだろうか。


 10時12分、車内販売が来る。(注:ビュッフェはなかったか。)紅茶71ペンス。安い。


 11時12分、海が見える。


 12時14分、定刻にEdinburgh Waverley駅着。在来線で4時間14分でロンドン・エジンバラ間を走破できるのは新鋭のInterCity 225のおかげ。(注:InterCity 225は設計速度が時速225㎞にちなむ。実際の最高速度は200㎞らしい。)


 駅を出たところで、2、3人の大学生くらいの男女に声を掛けられる。エジンバラの観光について来訪者にインタビューしているとのこと。見るからに「異邦人」の私なので調査対象としては好適だろうが、こっちはエジンバラに着いたばかりなので、残念ながらご期待には応えられなかった。


 インフォメーションに寄ったあと、駅近くのショッピングセンターのフードコートでハギス(羊の内臓やオートミールなどを羊の胃袋に詰めて茹でたスコットランドの伝統料理)を食べる。フードコートのものなのでどれだけ本式のものかはわからないが、癖のある食べ物だった。


 帰りの列車は17時発なので大急ぎで市内観光をする。まずはニュータウンと呼ばれる新しい街を歩く。ここでも2階建てバスが走っている。ただしロンドンと異なり赤と白のツートンカラーで、2階部分に「Take Care with Sex」という大きなスローガンが掲げられている。どうしても、フレディの死が頭をよぎってしまう。


 今回のエジンバラ行きのハイライト、エジンバラ城に着く。岩肌の険しい山の上に建っている、お城というよりは、いかにも中世の砦というか要塞という厳つい建物。入場料2.5ポンドを払って中に入る。



※次は本当に最終回です。

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