第2話 ゴブリンとの遭遇とスキル付与

──特殊技能──

[亜空間収納]

[変幻自在]

[万能創造]

[転移]

[箱庭の主]

[無限魔力]

[スキル付与]

[ユニット操作]

[分身操作]

[眷属化]

[拠点万能化]

[創造魔法]

[世界移動]



[亜空間収納]

亜空間に何でもしまっておける能力。

容量は無限、時間経過はしない。

目視できる範囲にあるものなら念じるだけで収納可能。

取り出す時も念じるだけで目視できる範囲にならどこへでも取り出し可能。

生き物でも何でもしまっておける。

ゴミ箱機能でしまったものを削除することも可能。


[変幻自在]

姿かたちをイメージ通りに自由に変えられる他、立ち振る舞いや仕草、癖なども指定してなり切ることができる。

魔力波長や血液型、指紋やステータスなども全て変更して完全に他人になりきることもできる。

透明化して姿を消し、気配も消して物をすり抜けることも可能。

使い方次第では壁に埋まったりするので注意しよう。


[万能創造]

イメージした通りのオリジナルの物を何でも創造可能。

地球に存在する物ならカタログから選んで創造することができる。

創造した物は一旦[亜空間収納]へ収納される。


[転移]

行ったことのある場所、目視したことのある場所へ瞬時に移動する。

物に触れている状態で一緒に持って行くと念じることで物も一緒に転移できる。

特に指定が無ければ身に着けている服や装飾品は勝手に一緒に転移される。

ゲートをその場に創造して設置し、そこを通った物を対となるゲートへ転移させることもできる。


[箱庭の主]

亜空間にある貴方だけの箱庭を所有する。

この技能を使用すると箱庭に転移する。

空間は無限に広がっていて、箱庭内を自由に変更可能。


[無限魔力]

亜空間にある無限の魔力保管庫から魔力をいくらでも引き出して行使できる。


[スキル付与]

対象に自由にスキルを付与できる。

スキルの内容は自分で決められる。


[ユニット操作]

貴方に従うユニットを創造し、思い通りに使役します。

人型、獣型、魔物型、機械人形、ゴーレム、姿形は何でもあり。

生命であれと念じれば生命となり、無機物であれと念じれば無機物となります。

全てのユニットと念話で会話することができ、既に生み出したユニットの改変も自由です。


[分身操作]

自分の分身を並列思考で操作できます。

分身は自分と同じ力を使えます。


[眷属化]

生物を眷属にします。

眷属になった者は貴方への絶対的な忠誠を誓い、命令に従います。

眷属は貴方を絶対に裏切りません。

眷属になった者には念話で命令を下せます。

尚、念話は一方通行のため向こうからの念話は届きません。


[拠点万能化]

拠点として登録した場所が快適に過ごせるようになる。

登録は複数個所可能。

・電気、水道、ガス完備。

・魔物や悪しき者、又は指定した物や者、攻撃やダメージを受けるようなものを阻む結界完備。

・許可を出した者しか中に入れない。中にいる者を任意で追い出し可能。

・汚れと認識した物は自動洗浄。破損した箇所は自動修復。


[創造魔法]

イメージ次第でどんな魔法でも創って行使することができる。

使い方次第で何でもできます。


[世界移動]

登録された異世界に移動することができる。





……は?

なんだ、これ。

文字が多すぎて目が滑るけど、上から読んでいく。

これ……こんなの、チートじゃないか。

本当にこの能力を俺が使って良いの?

良い……んだよな?何をしても良いって女神が言ってたんだから。


ハッとした俺はスマホで掲示板を開いてみた。

俺のようなスキルを全員持っているのなら間違い無く世界がめちゃくちゃになる。

そうなると俺が楽しむどころの話じゃない。


掲示板ではそれぞれの世界に降り立った人たちが思い思いのスレッドを建てて会話していた。

スキル報告板という場所があったので覗いてみたけど……軽く見た感じではチートと呼べるほどに強力なスキルを得た人は他にいなかった。

もちろん強力なスキルを持っている人はいたけど、俺ほど振り切ったチートっぷりではなかった。

とりあえずは一安心……か。


安心すると同時にわくわくしてくる。

できることが多すぎてまだ全て把握していないけど、[万能創造]……何でも創造可能……それだけで何でもできそうだ。


他の人たちもある程度自分の様子を確認し終えたのか、目立つ金髪のイケメンが周囲の人間に声をかけていた。


曰く、同じ場所に転生したからにはしばらく協力し合うべきだ。

ひとまずは人里を探そう、と。


そのために女神の話をおさらいした。


瘴気で満ちた世界。

瘴気から発生する魔物が蔓延っており、人々は結界で覆われたコロニーと呼ばれる場所で縮こまって生活している。

結界を張れる聖女及び聖者を求めて奪い合っている。

追加配布アイテムは小型の結界魔道具。

1人1つ持っているこのランタンのような物が小型結界魔道具らしい。


誰か1人が結界魔道具を地面に置いてそこから離れて結界外へ出てみたが、瘴気というのは即座に人体に影響を及ぼすものではなさそうだ。

しかし瘴気に触れた途端肌が溶けたりしたらどうするつもりだったのだろうか?

俺たちはこの紫の霧のようなものが『瘴気』というものだということしか知らないのに。

魔物が発生するような霧なんて吸ったら不味いのではないのだろうか。


ぐだぐだ話し合っている間に何人か単独行動がしたい人たちは声すらかけずに離れていき、この場に残ったのは十数人ほどだった。

俺もさっさと離れれば良かったな、失敗した。

いつの間にか金髪のイケメンがリーダーのような感じになり、そいつの提案で俺たちはこの場から移動することになった。

まあ、ずっと森の中にいるわけにもいかないしな。

瘴気からは魔物が発生するらしいし、どこか落ち着ける場所には行きたいところだ。


この森は木々が生い茂っており、地面も太い木の根ででこぼこしているため酷く歩き辛い。

数時間ほど歩いたが、道中魔物らしき原生生物と遭遇した。

それは日本でもアニメや漫画で見たことがある姿……ゴブリンそのものだった。

結界があるから大丈夫と言って無警戒に前に出た奴はゴブリンの攻撃を喰らうこととなった。

どうやらこの結界は瘴気から身を護るためだけの物で、魔物やその攻撃を阻むことはできないらしい。

人が攻撃されてようやく慌てたこちら側は各々武器を手に取った。


連携も何も無く、各自ゴブリンが近付いて来たらめちゃくちゃに武器を振り回すだけ。

それでもゴブリンには何度か剣を当てることができたものの、倒すまでには至らず。

そこで攻撃スキルを持っている人が初めてスキルを使い、相手に深手を負わせることに成功。相手が1匹だけだったのも幸いして無事に相手は逃げていった。

そこでスキルの重要性を再認識し、俺たちは流れで自分のスキルを話すことになった。

不味いな、と思ったが、自分のスキルは個人情報なので話したくない人は話さなくて良いらしい。

ただ、戦闘に使えるスキルなら話してほしいとも言っていた。


俺は自分の番が来るまでステータスを見て悩んでいた。

これをそのまま言うわけにはいかない、チートすぎるからだ。

こんな能力を持っていると知られたら絶対に寄生される。

頼られ寄生され俺が赤の他人である彼らの為にその力を振るうことが当たり前かのようにのたまい、拒否したり渋ったりすれば俺を極悪人に仕立て上げ集団で糾弾し罪の意識を植え付け自分たちの奴隷として扱おうとする。人間とはそういうものだ。


しかしスキルを1つも持っていないとは言えないし、言いたくないと言えばやましいことがあると思われる。

なのでこの【特殊技能】でできることの中で、当たり障りの無いものを見繕わなければならないだろう。

というか、あれか。[スキル付与]で都合の良いスキルを自分に付与すれば良いのか。


[スキル付与]

対象に自由にスキルを付与できる。

スキルの内容は自分で決められる。


このスキルを行使すると念じると、頭の中にスキルの情報が浮かんだ。

なるほど、これをこうして念じて……スキルの情報を入力するのか。

さて、何のスキルにしようか?

あまり役に立たな過ぎても彼らの前で動きづらくなるし、有用すぎても奴隷のようにこき使われる。

そんなことない、と思えるほど俺たちはこいつらを信用していない。

当たり前だろう、さっき会ったばかりの赤の他人だ。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る