「いちどのこひ」

永遠にいちどのこいがありましてそのほかはみな滅んでしまへ


永遠といふにはあまりにながかりしこひがをはりしのちの永遠


あるきつつあるきにあるけよあるきながらあるきてやがてたたずむときくる


ゆふぐれて世界のをはりのごとき世界なんぢがそばにゐたから「よかつた」


みぎの翼ひだりの翼のおれたるごとく人間なるものひとりちたり


ちてつればてどもちにけりどの活用にもあらざるちかた


たとふれば愚生が神であるとして愚生はなんじのこゝろをうばはむ


一文字 二重債務に 三重苦 四面楚歌にて 五臨終なり


愛が死にいのちが死して永遠とわが死に煙草が死して『死』は死するなり


夢はゆめゆめいささかもゆめならずゆめにあらねどゆめみるや夢


北 南 西 東 西 東 西 北 北 東。極北にて。

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