「うみになるまで」

「泣け。わめけ。欷歔ききょせよ。さけべ。慟哭せよ」なんぢのなみだがうみになるまで


黄昏がたそがれゆくまでたそがれでとはにくれざれとはなる黄昏


こいなるはえいゑんならずきゆるものきえざるものこそえいゑんの愛


生こそはをはらぬあくむとおもふなれあくむのをはりはそのをはりなる死


そらのくろうみのくろさによるのくろこゝろのくろさよくろくろくろくろ


あかき華あをぐろき華どの華もをみなをのこの華は腐りて


人 生じん せいがあの人 生じん せい人 生じん せいがとぎれてしまへるそのひわすれず


葦 鰯 歳 鱗石 齲歯 雄牛 獅子 鸚鵡石 壊死 餓死 死 死 死―――


いのちありいのちあれどもそのいのち婆 羅ば ら 婆 羅ば らになるいのちありけり


えいゑんにeienにただ永遠にほろびざるべし三月みつきなる愛


人間とはなににあらむとおもふときそのときのみにわれらは人間


闇うまれ銀河のうまれ星うまれ日本のうまれわれは死ぬなり

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