あの時、私あなたの事が好きだったの知ってた?

神石水亞宮類

第1話 あの時、私あなたの事が好きだったの知ってた?




俺は久しぶりに高校の同窓会に参加した。

俺も今年で、31歳になりなかなか高校の友達とも会わなくなって

久々の顔ぶれに俺はドキドキ・ワクワクしていたんだ!

それに当時付き合っていた彼女も来ると聞いていたし、少し緊張しな

がら俺は同窓会の会場に向かっていた。



【いらっしゃいませ~】

『おーう! 池谷じゃないか、久しぶりだな~!』

『まあまあ、ココに座れよ!』

『・・・あぁ、ううん。』

『もう直ぐ、皆集まると思うんだけどな。』

『あぁ!』

『何、キョロキョロしてんだよ? まさか!? 沢田探してるのか?』

『えぇ!? なんで、そんな事聞くんだよ!』

『すまん! 沢田、今妊娠中で、これなくなったらしい!』

『えぇ!?』

『もう直ぐ、産まれるんだってさ。』

『・・・そ、そうなんだ、』

『なんだよ、ガッカリした顔してさ!』

『そ、そんな事ないよ、』

『でも、今日は楽しもうぜー! 久しぶりに皆と会うんだからさ!』

『分かってるよ、今日は飲もうー!』

『おーう!』




・・・久しぶりに見る同級生たちは、随分と変わった奴もいるし、

変わってない奴も居た。

でも? 一番変わっていた女の子が俺に話しかけてきたんだ。



『ねえ? 私の事、憶えてる?』

『えぇ!?』

『憶えてないよね? 随分、私変わっちゃたし!』

『・・・樋口か?』

『そう! 憶えてくれてたんだ~嬉しい!』

『“なんか可愛くなったな~”』

『嬉しい! 高校の時は全然、私の事なんか見てくれてなかったしね。』

『・・・ご、ごめん。』

『うそうそ! 高校の時の私は地味だったし、仕方ないよ。』

『でも今は可愛いじゃん! 彼氏とか居るの?』

『“あの時、私あなたの事が好きだったの知ってた?”』

『えぇ!?』

『池谷クン、沢田さんの事しか見てなかったもんね!』

『・・・・・・』

『今も池谷クンカッコイイから、凄くモテるでしょ~』

『モテない! モテない! 今も俺、誰とも付き合ってないし!』

『“じゃあー私、立候補していい?”』

『・・・なんの?』

『“彼女候補!”』

『あぁ、別にいいけど、』

『やったー! 嬉しい! 私、池谷クンの彼女になりたい!』

『ううん。』

『えぇ!? いいの?』

『うん。』



・・・当時、地味だった女の子と俺はお酒の勢いもあって付き合う

事になった。

まさか!? 同級生の女の子とまた同窓会で再開して付き合うなんてな!

案外、彼女は家庭的で料理も出来て、俺にはなんだか勿体ないぐらいの

いい彼女だ。

それに何より、“俺に一途だし!”

俺も彼女に尽くしたいと思っている。

こんな子は、他には絶対に居ないしね!

なんか? “同窓会”って、改めてステキな出会いをもたらしてくれる

場所なんだって俺は思うんだ!

いつか? 彼女と俺は結婚したいと思うようにもなったしね。

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あの時、私あなたの事が好きだったの知ってた? 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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